平成30年度日盲連陳情活動(厚生労働省関係)

01 厚生労働省

 

1.日時

 平成30年7月11日(水)9時30分~12時00分

 

2.場所

 合同庁舎5号館共用第2会議室

 

3.出席者

(1)日本盲人会連合

                    会長  竹下 義樹

                  常務理事  後藤 英信

                   女性協  兼目ちえ子

                  情報部長  三宅  隆

                   事務局  木村 幸平

(2)厚生労働省

 社会援護局 障害保健福祉部

  企画課

                        堀口 弘貴

   人材養成・障害認定係           諏訪林 智

  企画課 自立支援振興室 

   社会参加支援係              大久保圭子

   地域生活支援係              小林 莉来

   情報・意思疎通支援係       係長  高村茉里奈

  障害福祉課

   企画法令係                大石 亜美

   訪問サービス係          係長  増田 大樹

      同                 野田 貴之

  障害福祉課 地域生活支援推進室

                  室長補佐  冨原  博

   相談支援係                江端  潤

  精神・障害保健課

   障害支援区分係          係長  鈴木 正宏

 老健局

  高齢者支援課 予算係        係長  田中 孝平

  振興課 基準第二係             小俣 直貴

 

 年金局

  年金課 企画法令第一係           土井 秀文

 職業安定局 雇用開発部

  障害者雇用対策課 雇用促進係        宮北 将也

 

4.陳情事項、回答、意見交換

【注意】

 以下の陳情項目、回答、意見交換は、厚生労働省からの回答順に掲載をする。そのため、記載した陳情項目の番号は、実際に提出した陳情書での記載番号とは異なっている。

 

Ⅰ 同行援護・移動支援

(1)同行援護の支給量を当事者の必要に応じたものにするとともに、通勤・通学においても利用を認めるよう要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 同行援護をはじめとした訪問系サービスの支給決定に当たっては、申請のあった障害者等について、障害支援区分のみならず、全ての勘案事項に関する一人一人の事情を踏まえて適切に行うこととされており、毎年の全国会議で自治体に周知しています。

 通勤・通学については、制度見直しに係る議論を行った平成27年の社会保障審議会障害者部会において、障害者差別解消法の施行に伴い、企業、教育機関、公共交通機関に、障害のある方の通勤・通学上の困難に対する配慮が求められていることとの関係等の課題もあり、関係省庁とも連携して総合的に進めていく必要があることが指摘されました。これを踏まえ、平成30年度障害福祉サービス等報酬改定の議論において検討されたところ、通勤・通学の支援を個別給付の対象とすることは、企業や学校による支援が後退することが懸念されることや通勤については個人の経済活動に対する公費の負担について課題があることから、支援を実施することは見送られました。通勤・通学の支援の在り方については、引き続き関係する分野との検討を行いたい。

 

(竹下会長)

 通学については、以前の障害者部会で、文部科学省との連携を検討することが報告されたと思うが、それ以降、何も議論が行われていないのか。教育行政との話合いの場が持たれているのに、これが議題にすらなっていないのはなぜなのか。しっかりと検討をして欲しい。

 通勤については、これが労働行政の問題というのは理解しているが、同じ厚生労働省の中での問題であるのに、その調整ができないのはおかしいのではないか。回答にあった、労働行政と福祉行政、場合によっては鉄道機関の合理的配慮との間で、総合的な連携を作っていくことは理解できる。ただ、その連携の場を作らなかったら意味がない。その連携の場を作ることが大切ではないのか。

 


(2)同行援護の利用者の自己負担を廃止するとともに、利用時間制限の撤廃を要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 障害福祉サービスに関する利用者負担に関しては、平成22年4月から低所得の障害者等の利用者負担は無料として実質的に応能負担とし、平成22年12月に成立した障害者自立支援法等の一部改正法により、応能負担であることを法律上も明確にすることで軽減を行っている。障害福祉サービス等に係る自己負担を無料とすることについては、財源の確保状況や医療や介護等他の制度との整合性、公平性も踏まえた国民的な議論が必要であることから、引き続き検討していきたい。

 なお、平成30年度障害福祉サービス等報酬改定では、同行援護等の外出時における支援において、日を超える用務についての要否も含めて市町村が支給決定を行うことから、原則として1日の範囲内で用務を終えるものに限るとするという規定を撤廃している。

 

(竹下会長)

 まず、最後に回答を頂いた「原則として1日の範囲内で用務を終えるものに限るとするという規定を撤廃」については、非常に大きな前進だと思っています。ありがとうございます。

 そして、この報酬改定に関連することで、3点、意見があります。

 1点目は、利用者負担について。報酬改定において身体介護の有り無しが一本化されたことで、今まで身体介護無しの地域は報酬自体が増えることもあり、利用者負担が増える可能性もある。そこで、利用者負担が増えることによって利用抑制が発生することは避けなければならない。この点に対して配慮が必要だと思っている。

 2点目は、この利用時間制限の撤廃によって、従事者が長時間サービスを行う可能性がある。そのため、従事者の労働基準法なり労働安全衛生をちゃんと守ることができるかを考えなければならない。同行援護の現場では、例えば、1日に8時間外出したとすると、労働基準法上では休憩時間を与えないといけなくなり、それを与えなかったら労働基準法違反になる。そのため、1泊を伴う場合も含めると、従事者が過度な就労にならないようにする仕組み、例えば複数派遣というものを報酬として作り出す必要があるかもしれない。こういった点も踏まえて、厚生労働省には制度面の検討を引き続き行って欲しい。

 3点目は、今回のような厚生労働省が打ち出した前向きな試みを、自治体が理解しないことが問題だと思っている。例えば、自治体は、極めて視覚障害者の生活実態に合わない支給量の決定をしており、個々の当事者の必要性によって、あるいは生活実態に応じて支給量を決定するのではなくて、一律50時間や一律32時間といったキャップ制にしていることがある。全ての自治体の決め方を調べたわけではないが、これはやはり厚生労働省が文書で示した考えとは違っている。そうであれば、これが地域生活支援事業ならともかく、障害福祉サービスという法的な位置付けからすれば、あってはならないことになり、厚生労働省の行政指導の対象になるのではないか。それを放置するというのは、怠慢ではないか。

 これらについて、厚生労働省はどのような考えをしているのか、お伺いしたい。

 

(障害福祉課 野田)

 1点目の利用者負担が増えるというのは、今回の報酬改定で一本化して、身体介護無しの方で報酬自体が増えたということが、既にあったということですか。

 

(竹下会長)

 はい、実際に不満として出てきている。もちろん、今回の改定は、全体としてはみんな喜んでいる。しかし、これまで身体介護有りとして報酬を決めていた所では、地方税を少しでも払っている人だと、自己負担が増えた実例もある。こういったように、一部の人が不利にならないような制度設計をして欲しい。

 

(障害福祉課 野田)

 2点目の問題は、特に休憩時間の問題は、同行援護に限らず、重度訪問介護等でも長時間の支援を行っていて、確かに問題になっています。

 

(竹下会長)

 これは質問になるが、同行援護において長時間になることは、もともと想定していなかったのか。

 

(障害福祉課 野田)

 はい、そうです。

 

(竹下会長)

 この長時間問題は、日盲連も勉強をしながら、事業所に対しても工夫や努力をして欲しいとお願いをしている。ただ、これだけでは労働基準法等を守ることは難しい。是非、厚生労働省も一緒になって考えて欲しい。

 

(障害福祉課 野田)

 3点目については、毎年の全国主管課長会議で、口酸っぱく自治体にお願いをしている。特に、支給決定基準を設けるのはいいが、その原則を変えて個別の事情に応じた支給を行うことは、何度もお願いをしている。実際に、厚生労働省にも利用者からこの点の相談や問い合わせがあり、厚生労働省としても問題意識をもっています。

 

(竹下会長)

 この問題は、どうにかして突破する方法はないのだろうか。裁判という方法もあるが、やはり厚生労働省の指導と自治体の理解の中で進めるべきものだと思っている。是非、今後も問題解決に向けて検討をして欲しい。

 


(3)同行援護の利用時間を1か月単位ではなく、数カ月単位として、前月使わなかった時間は次月に繰り越せる等、融通性を持たせられるよう要望する。

 


(障害福祉課 野田)

 同行援護の支給量を定める単位期間については、障害者総合支援法施行規則第13条において1か月とすることを規定しており、また報酬の算定に当たっては、実際に行われたサービス提供の時間ではなく、同行援護計画に位置付けられた標準的な時間によることとしている。支援に要する時間に大幅な変更が生ずる場合は、同行援護計画を変更した上で支給決定する必要があるので、市町村への相談をお願いします。

 

(竹下会長)

 今の回答を踏まえると、支給量を増やす必要があった場合は、その都度、同行援護計画を変更しないといけないということか。

 

(障害福祉課 野田)

 はい、そうです。

 

(竹下会長)

 ここで指摘したいのは、居宅介護と同行援護というのは、本質的に違うということだ。例えば、同行援護だと、おおよそで利用計画を組んでいたとしても、その月だけ冠婚葬祭が増えたとか、家族に病人が出たとか、あるいは特別な外出が増えたということはいくらでもある。こういう突発的な事情が発生することは、社会生活上でも自然なことではないか。つまり、最初から利用計画通りに進むことはあり得ない。そのため、利用時間にある程度の含みを持って欲しいから、このことをお願いし続けている。

 

(女性協 兼目)

 急に外出しないといけないことは、本当に日常茶飯事です。そして、この急な外出を優先すると、ほかの外出を控えなければならなくなります。そのため、前月は少なかったから、前月の分を少し今月に回したりとか、来月は少なそうだから、今月に回したりとか、数か月の単位で多少融通を持たせてもらえると、同行援護がもっと利用しやすくなる。

 

竹下会長

 視覚障害者にとっての同行援護という存在を考えると、これは日常生活及び社会生活を支える極めて重要な制度である。つまり、これを制限することは、その人間の日常生活を制限する、極端な話だと自己実現性を否定することになり兼ねない。この問題を解決するため、施行規則を改正して例外規定で対応するとか、何か対応策はないのか。

 

(障害福祉課 増田)

 実態と運用が全く違うということについては申し訳ないです。その上で、1つ教えて頂きたい。例えば同行援護が今月はもう足りないが、今月はまだ外出する機会が多いとなった時、地域生活支援事業の移動支援を使うことはあるのか。

 

(竹下会長)

 残念ながら、移動支援は自治体側が利用させてくれない。実態としては、利用者が自分の行動を抑制しており、兼目から指摘をしたように、どうしても行かないと行けないことを優先して、買物等の日常的なことを制限してしまう。

 

(女性協 兼目)

 例えば、来月特別な用事があるから支給時間を増やして欲しいと役所に相談しに行くにしても、自分1人では行けないので、それ自体で同行援護を利用せざるを得ない。これでまた自分の時間が削られてしまう。こういったことも省けるように、制度に融通性があると助かる。

 

(障害福祉課 増田)

 ご指摘いただいた点こそ、居宅介護と同じではないことですね。確かに外出は毎月異なるということは理解できます。これを計画に組むのはなかなか難しい。引き続き、どういう在り方が正しいのかは検討したいと思います。

 


(4)交通の不便な地域において、同行援護従業者が運転する車の利用を認め、その移動時間や待機時間を報酬算定の対象に加えるよう制度の改善を要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 利用者を車両で移送する時間は、道路交通法で定める安全運転を行う必要があり、利用者への介助を行うことができないため、障害福祉サービスとして評価するのは適当ではないと考えます。なお、車両を停車又は駐車した上で介助等を提供する場合は、報酬の算定対象とすることができます。

 

(竹下会長)

 まず、確認だが、中山間地域で車を使って移動をした場合、どうなるのか。

 

(障害福祉課 野田)

 車両を使うこと自体は問題がないのだが、それを障害福祉サービスの報酬として実施することは難しい。これは移送サービスの範疇になってしまうのではないかと考えている。

 

(竹下会長)

 同行援護の中で車が使えたら実際は安上がりなのに、これをやったら違反になる。ただ、利用者とヘルパーがタクシーに乗って移動するのは問題ないが、タクシー代と同行援護のお金を払うので、余計な負担がかかっている。これはおかしくないか。

 

(女性協 兼目)

 タクシーで1時間移動したら、タクシー代を1時間分払って、それでヘルパーさんの1割負担もあり、利用者への負担がすごく大きくなります。これには困っている。

 

(障害福祉課 野田)

 同行援護の事業所が、福祉有償運送の指定を取るのは現実的ではないのか。

 

(竹下会長)

 まず、同行援護の事業所が福祉有償運送の指定を簡単に取れると思うことが大間違い。それこそ、事業所がその条件を整えられるかどうか、周辺の運送業者の了解を取れるかどうかが課題となっている。そんなに簡単なことではない。

 

(障害福祉課 野田)

 介護タクシーを利用することはどうか。

 

(竹下会長)

 介護タクシーを使うというのは1つの方法であることは前から指摘しているが、その介護タクシーの負担を誰が払うかという問題に繋がってしまう。この料金負担を支える仕組みが作られない限りは、実現が難しいのではないか。

 繰り返すが、この問題は公共交通機関のある所では出てこない問題だ。そういった地方の声を理解して、しっかりと検討して欲しい。

 


(5)株主総会へ出席するための移動を同行援護の対象とするよう要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 同行援護は、通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出、社会通念上適当ではない外出を支援の対象外としています。株主総会の出席が経済活動に係る外出に該当するかについては、出席の目的や性質等により、市町村において個別に判断した上で決められるものであることから、一律に同行援護の対象として認められるか認められないかを申し上げることはできません。

 

(竹下会長)

 今の回答を踏まえて、厚生労働省の考えをお伺いしたい。自治体の判断との回答だが、その判断基準について厚生労働省ではどう考えているのか。

 

(障害福祉課 野田)

 株主総会へ出席することが一律に経済活動かどうかについては、個々の状況によって左右されると思う。例えば、その株主総会に代理出席するとか、趣味程度で株を持っているとかだと、一律経済活動とは言えない内容もある。判断基準はなかなか難しい。

 

(竹下会長)

 こういったことを、障害当事者から自治体にお願いするのと、国からお願いするのとでは、自治体の受け入れ方が全然違う。障害福祉サービスという国の制度を実施責任として自治体がやっているという法律構造からして、厚生労働省がこういう解釈基準あるいは運用基準を示すことが必要ではないか。しっかりと考えて欲しい。

 


(6)同行援護を担当する自治体の職員は、同行援護制度の理念を熟知し、利用者・ヘルパーの相談者となりうる人を配置するよう要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 行政の福祉担当者の資質向上については、国の職員としては鋭意努力していきたいと思っていますが、地方公共団体の取り組みについては、一義的には各地方公共団体における取り組みであるため、要望として受け止めさせていただきます。

 

(竹下会長)

 この要望が出るのは、背景として比較的小さな自治体での対応があまり良くないからだ。これらの自治体というのは、例えば介護保険と障害福祉等を全部1人で対応していたり、2~3年で異動してしまい経験が積み重ねられなかったり、結果として対応が良くない実例が多い。

 では、どうしたら解決をするのかを考えてみると、この同行援護であれば、運用マニュアルやQ&Aみたいなものを用意して、それに沿って対応できるようにする等が必要ではないか。

 

(障害福祉課 野田)

 Q&Aや通知、自治体が使うハンドブックのようなものはあるが、竹下会長が指摘したように、その職員が複数のサービスを持っていて、なかなか手が回らないために、同行援護のことを詳しく理解していない実情があることは認識しています。これは何とかしたいとは思っています。

 

(竹下会長)

 この要望において重要なのは「利用者・ヘルパーの相談者と」と書いてある点で、ヘルパーの部分は何とかしてあげたい。ヘルパーは、視覚障害の利用者のために一生懸命に仕事をしているが、その仕事が規定違反だった場合、どのように対応したらよいか自治体に相談に行くことがある。しかし、自治体では対応できないことが多く、下手したら門前払いになったりもする。そのため、自治体に理解してもらうために、資料を持参して相談に行っても、なかなか相談にのってくれない。

 

(障害福祉課 野田)

 今回の報酬改定もそうだが、制度が大きく変わった時、その制度を自治体の担当者が理解していないことが多く、結果的に利用者が改定されたサービスを利用できない状況があることは問題だと感じている。自治体によっては、県が主催する集団指導等を活用して、対応力を高めているところもある。厚生労働省としても、こういった取り組みのように、もっと分かりやすいマニュアルを作る等、制度に関する周知を徹底する等で対応できればと考えている。

 

(竹下会長)

 正直言うと、年1回の全国主管課長会議だけで、これらが解決できるということはあり得ないと思っている。そのため、同行援護については、例えば同行援護だけの手引のようなものが、常にその係員の手元にあるような仕組みを作る必要があるのではないか。

 


(7)同行援護の報酬単価は時間が伸びるにつれて1時間当たりの単価が下がる仕組みを止め、同行援護が8時間を超えた場合の報酬単価の改善を要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 平成30年4月以降の同行援護の報酬単価は、1時間以上1時間半未満で420単位となっており、以降30分ごとに63単位若しくは60単位を加算していく体系となっている。基本的には支援時間が長時間になる場合、事業所の管理コストが低減していくことを踏まえて、報酬単価も低くなると考えますが、適切な報酬の評価を行うことは大変重要であると認識しています。

 

(竹下会長)

 この要望は、事業所側の工夫でも改善できる部分もあるが、問題は、利用希望が長時間になると、そもそも事業所が受けてくれないことが大きい。

 

(女性協 兼目)

 長時間利用する場合、報酬単価がどんがん下がっていくから、事業所はそんな長い時間の仕事を受けるより、短い時間の仕事を何回も受けた方が得だと考えてしまう。しかし、利用者はどうしても長時間の同行援護が必要な時もあるので、こういう受け方をされると同行援護が利用しづらい。

 

(竹下会長)

 兼目が指摘したような考え方をもつ事業所は少なくはなく、介護保険を中心にした事業所で、片手間で同行援護を実施している所等はこの傾向が強い。これでは困る。

 この点を踏まえ、どこかで、同行援護の報酬に関するシミュレーションを行い、合理性のある単価の在り方というのを、国も我々も考え直さないといけないのではないか。日盲連も、事業所側と連携して、この要望に対する数字的な裏付けを作れるように努力はしたいと思うので、是非、厚生労働省でも検討して欲しい。

 


(8)同行援護事業所が市町村から無くならないような対策と福祉有償運送の充実を要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 同行援護事業所が職員の賃金の改善等を実施している場合には、福祉介護職員処遇改善加算や福祉介護職員処遇改善特別加算を算定できる仕組みになっており、職員の職場定着やキャリア形成を行うことのできる労働環境の整備を促進しています。今後も同行援護事業者が行う支援や取り組みに対して、適切な報酬の評価を行うことができるよう検討をしていきます。

 なお、福祉有償運送については、国土交通省の所管となるため、要望として受け止めさせていただきます。

 

(竹下会長)

 この要望で重要になるのが、ここ最近、同行援護から撤退した事業所が幾つもあることだ。例えば、今回の報酬改定において身体介護が一本化されたことで、報酬が下がった事業所もある。こういった所は、自分たちの事業を継続するかどうかを考えてしまうのは当然だろう。また、小さな自治体では、同行援護に限定してしまうと、エリアの関係で利用者がたくさん確保できないから、撤退してしまう傾向もある。この場合、介護保険や他の居宅支援の事業所で同行援護を実施している事業所や、同行援護を単体で実施している事業所もあるが、やはり経営が成り立たないから撤退してしまうようだ。

 日盲連としては、せめて隣の町村程度をカバーするような、一定の生活圏域の中で1つ以上の事業所が同行援護を実施していないと、視覚障害者の外出の安全確保が保たれないと考えている。この点を踏まえて検討を進めて欲しい。

 


(9)ガイドヘルパーの専門性の向上とともに、利用者1人1人のニーズに応じた同行援護事業の運営を要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 同行援護従事者の養成については、各都道府県において地域の実情に応じて研修が行われている。国としては各都道府県に対し、同行援護従業者養成研修に係る費用の補助を行い、従業者の確保及び資質の向上に取り組んでいます。また、同行援護の提供に当たっては、利用者の意向や障害の特性等を踏まえた個別支援計画のもと、利用者の立場に立ったサービス提供をお願いしています。

 

(竹下会長)

 従事者資質向上研修を受けている事業所については問題がないのだが、正しい研修を受けていないヘルパーを雇っている事業所があるからこの要望が出ている。例えば、佐賀県のある養成事業所では、ビデオ等を用いた通信教育で研修を行っていて、それで研修修了の証明書を出す所がある。こういう所から出たヘルパーを登録ヘルパーとして雇う事業所があるから、ガイドヘルパーの資質を求める要望が出てくることを理解して欲しい。また、この点については、今後の研修の在り方に関する問題であることも留意して欲しい。

 


(10)同行援護制度ないし報酬が見直されることにより、事業所が減少しないよう要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 平成30年度障害福祉サービス等報酬改定において、同行援護は身体介護を伴う・伴わないの分類を廃止し、基本方針を一本化する等所要の見直しを行いました。今後も利用者のニーズに応じた制度の見直しを実施していくとともに、同行援護事業者が行う支援に対して、適切な方針の評価を行うことができるよう検討していきます。

 


(11)視覚障害のある親が子供を保育園に送迎する際、同行援護を利用できるよう要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 同行援護は通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出、社会通念上、適当でない外出を支援の対象外としています。保育園の送迎に係る外出は、基本的には通年かつ長期にわたるものと考えますが、その形態も異なることから、一律に同行援護の対象として認められるか、認められないかを申し上げることはできません。

 

(竹下会長)

 まず、こういった子育て支援に関する相談が自治体の窓口であった時、今の回答で相談を拒否するのは自治体にとっても酷なことではないだろうか。例えば、全盲のお母さんが、子ども抱きながら、白杖をついて保育園まで歩いて行けると思うか。この要望は、制度論はともかく、こういった子育てをしている視覚障害者にとっては凄く重要なことなので、何とか認める方向で検討をして欲しい。

 

(女性協 兼目)

 この要望は、若い視覚障害の母親からも強くお願いされています。是非、前向きに考えて欲しい。

 

(障害福祉課 野田)

 同行援護の現在の体系ではこういった判断になるが、例えば居宅介護の家事援助、あとは重度訪問介護の家事援助であれば育児支援は認められるのではないか。

 

(竹下会長)

 重度訪問介護については我々は利用できないが、家事援助の延長で拡大できるかどうかは案かもしれない。また、自治体の移動支援を使うことも案かもしれないが、これは非常に例外的な支援になり、全国的には難しいだろう。

 

(障害福祉課 野田)

 そうですね。自治体には柔軟に考えて欲しいという思いがあるのですが、自治体ごとに考えが異なってしまうので、確かに難しいかもしれないです。

 

(竹下会長)

 この問題において、通年という壁があることは理解しているが、例えば、規則等にこのような内容は例外措置であると付け加えることはできないのだろうか。また、この要望が全ての同行援護利用者に該当する訳ではないので、そこまでお金がかかることでもないし、安部総理が掲げる一億総活躍社会の中では「夢をつむぐ子育て支援」を謳っているのだから、何とかして改善をして欲しい。

 

 

Ⅱ 65歳以上の介護保険・高齢者問題

(12)介護保険認定を受けた障害者の家事援助については、全国一律の基準で障害者総合支援法に基づくサービスとの併用ができるように要望する。

 

(障害福祉課 野田)

 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」という通知において、介護保険サービスが原則優先されるとされておりますが、当該市町村において適当と認められるサービスの量や質が、介護保険サービスのみによって確保することができないものと認められる場合には、障害者総合支援法に基づくサービスを受けることが可能であることを通知しています。そして、この点は、毎年の全国主管課長会議においても適切な運用に努めていただくよう、自治体に周知しています。

(竹下会長)

 このことを、何度も自治体にお願いしても、自治体は一向に理解してくれない。それこそ、65歳になったら平気で同行援護を切ってくる所がある。まず、こういった誤解等が、なぜ起こってしまうかということが問題ではないのか。

 

(障害福祉課 野田)

 やはり、自治体は同法の7条(優先原則)を勘違いしているということになるのか。

 

(竹下会長)

 その通り。本当に理解していない。自治体は、形式論的に介護保険優先、つまり、65歳になったら介護保険を原則使って、それで駄目な場合は他の手段にするとしか考えていない。また、併用という点では、給付決定で不足する分は障害福祉サービスを横出し・上乗せすることが利用可能としているのに、これも対応していない自治体が多い。厚生労働省が示すことは正しいと思うが、その示した内容を自治体で実践されていないことが大きな問題ではないだろうか。

 


(13)視覚障害者に一定の所得がある場合、盲養護老人ホームに入所できない等の厳格な条件がある。経済要件を緩和し、所得があっても視覚障害者の希望に則して入所できるよう要望する。

 

(高齢支援課 田中)

 養護老人ホームは老人福祉法に基づいて、環境上の理由、経済的な理由により、居宅において養護を受けることが困難な者を入所させ、その者が自立した日常生活を営み、社会活動に参加するために必要な指導と訓練、その他援助を行う施設になります。地域包括ケアの構築に当たっては、住まいの確保は重要だと考えていますので、まずは居宅で生活が困難な低所得者に対して、養護老人ホームとして重要な役割を果たしていくべきものだと考えています。

 

(竹下会長)

 この要望がなぜ受け入れられないのだろうか。ポイントの1つは、低所得要件の緩和が本当にできないのかどうかだ。低所得要件というのは、盲養護老人ホームに入る前に地域の生活が困難だということに視点を置いている。しかし、どの視覚障害者も、地域で高齢になった時点で地域生活は困難になるのだが、基準に合わないから入れないというのは、いかがなものかと思う。また、実態として、ある程度頑張って働いてきて、貯蓄がある人等は、養護老人ホームに入りたくても入れない実態もある。一方で、養護老人ホームは、全国的に空室が出てきている。入りたい人がいるのに空きがある。そんな無駄なことをして良いのかという指摘もある。

 この要望は、視覚障害当事者だけでなく、これらの盲養護老人ホームからも要望が出ているはずだ。国としてどのように考えているのかお伺いしたい。

 

(高齢支援課 田中)

 まず、回答した内容が前提としたある上で、竹下会長が指摘したように、地域での生活が困難な方に対する措置という役割もあるので全く検討できないと言うわけではない。

 

(竹下会長)

 例えば定員50の施設なら、50床のうち、10床は低所得要件ではない形、例えば視覚障害を対象とし、アセスメントした上で入所できるような方策はどうだろうか。地域では、今、男女を問わず一人暮らしの高齢視覚障害者が増えている。確かに多少のお金はあるかもしれないが、こういった高齢の視覚障害者は、目が見えなくて、かつ、高齢によるADLが低下しているので、1人で生活すること自体が大変になっている。何らかの要件を緩和することで、このような高齢の視覚障害者を救うことを考えて欲しい。

 


(14)視覚障害者の7割を超える高齢視覚障害者や一人暮らしの視覚障害者が、生活の質を低下させることなく地域での生活を継続できるよう、必要なホームヘルパーの派遣時間を保障し、地域での生活が困難となった視覚障害者がグループホームや盲養護老人ホームに容易に入所できるよう要望する。

 

(高齢支援課 田中)

 養護老人ホームは地方分権の観点から、三位一体改革で運営費を一般財源化して、財源と権限を地方に移譲しています。入所措置についても、それぞれの地域に応じて適切に対応されるべきだと考えており、全国主管課長会議でも、その旨を各自治体にアナウンスをしています。今後もその周知に努めます。

 

(竹下会長)

 回答が抽象的なので、もう少し詳しく説明してくれないか。

 

(高齢支援課 田中)

 地域での生活が困難となった視覚障害者が、盲養護老人ホームに容易に入所できるよう要望するということに対して、厚生労働省としては、盲養護老人ホームは権限と財源を地方公共団体に移譲しているので、地方公共団体に対して、必要な方への措置をしっかりと実施してくださいとお願いはしているという旨の内容になります。

 

(竹下会長)

 分かりました。その上で、この要望の背景を説明すると、まず、視覚障害者がホームヘルパーの利用だけで生活していくことは、大変難しい状況になっている。そのため、地域で生活しないといけないのであれば、一人暮らしの視覚障害者でも地域で生活できるような、正に福祉支援というものを、制度の中で組み立てる必要があるのではないか。

 その一方で、在宅福祉サービスの利用だけでは生活ができない視覚障害者は、やはり養護老人なりグループホームに入ることが望ましいと思う。ただ、希望があっても、入所要件や空き部屋の問題があって入れない現実もある。こういった背景を踏まえると、一度、こちらから状況を整理して、具体的な支援の在り方を提案しないといけないのかもしれない。

 

 

Ⅲ 歩行訓練

(15)歩行訓練士の配置基準を定め、視覚障害者の自立と社会参加を促進するため、どこでも歩行訓練が受けられる環境を整備するよう要望する。

 


(16)視覚障害者の特性を考慮し、安全確保に必要な歩行訓練、ADL訓練、個別性の強いロービジョン訓練が全国で実施されるような体制を整備してください。とりわけ、マンツーマンでの訓練が実施されるように基準の改善を要望する。

 

(地域生活支援推進室 冨原)

 視覚障害者に対する歩行訓練については、これまで身体障害者を対象にした機能訓練として実施する仕組みになっていました。そして、平成30年度障害福祉サービス等報酬改定において、自立訓練の機能訓練と生活訓練の対象者の見直しを行い、歩行訓練を生活訓練としても実施することになりました。併せて報酬についてですが、機能訓練として視覚障害者に対して行った場合は、通常よりも高い報酬設定をしており、生活訓練においても同じ仕組みを導入しています。今回の改定では、生活訓練の事業者数は機能訓練の事業者数よりも多く、生活訓練は介護職員やPT・OTの介助を要しないという部分がありますので、今後は身近な事業所で訓練が行いやすくなるのではないかと考えています。

 そして、併せて今年度、障害者総合福祉推進事業で自立訓練についての研究も実施することにしております。こちらでは、全国の関係機関の協力を得ながら、自立訓練を一体的に検証することを目的にしています。

 

(竹下会長)

 まず、今回、我々の声を受け止めていただいて、自立訓練の生活訓練でも歩行訓練が受けられるような報酬体系を作っていただいたことは、非常に大きな前進だと思っています。感謝申し上げます。

 その上で申し上げるのは、この要望の主旨が、せっかく今回の報酬改定を行ったにもかかわらず、今後、全国47都道府県において視覚障害者が歩行訓練を受けられる条件が整うことができるかということである。

 それこそ、これまでは視覚障害者向けの訓練を実施している機能訓練事業所は全国で17事業所だったと記憶しているが、地域に事業所がないため、宿泊をして訓練を受けることや、何らかの要件がある等、限定的な訓練体制になっている。それでは、視覚障害当事者にとって本当に身近な訓練ではないので、日帰りや訪問で訓練が受けられる事業所を地域に作らないことには、「いつでも、どこでも」という訓練にはならない。その意味で、生活訓練には期待をしている。

 ちなみに、生活訓練の事業所は全国で幾つあるのか。

 

(地域生活支援推進室 冨原)

 生活訓練事業者数は1166です。

 

(竹下会長)

 ただ、これだけあるが、その中で歩行訓練ができる事業所はどの位あり、今後どの位増えていくかが重要で、キーポイントは国や自治体の働きかけかもしれない。特に、全国で障害福祉サービスを展開する時に、国から明確な意図を伝えないと、民間事業者が育たず、実践されないことは、厚生労働省が一番よく知っていることだと思う。まずは、今回の報酬改定が活かされるよう、その意図を上手く自治体や事業所に伝えるべきではないか。

 

(地域生活支援推進室 冨原)

 竹下会長のおっしゃるとおりだと思います。生活訓練は今まで知的、精神の方を対象として行ってきていますので、その事業所に、いきなり実施してくれというのは無理だと思います。そのため、現実的な方法として、全国に点在する点字図書館の一部では、都道府県等の単独事業で歩行訓練を行っているので、こういった所に生活訓練の事業所指定が取りやすくなるということを考えても良いかもしれない。

 

(竹下会長)

 なるほど、それはごもっともな意見だ。しかし、この要望に出てくる背景には、自分の家の周りを安全に外出できるようにしたいという要望があることも理解して欲しい。つまり、事業所が訪問訓練をできるようにすることも重要で、そのための訪問加算等がないと、全国で「いつでも、どこでも」という訓練は受けられない。この点を踏まえ、国から自治体に対して何か通達のような文書は出すことはできないのか。

 

(地域生活支援推進室 冨原)

 通達の話しはご要望として承ります。なお、事業所からの要望を考えると、報酬面の改善を要望する方が強いと考えています。この点については、例えば、いわゆる肢体不自由の障害者をメインに事業をしている機能訓練事業所も同じ思いなので、どういう仕組みの見直しができるかという視点を、調査研究事業の中で整理して行きたいと思います。

 

 

Ⅳ 障害者差別解消法、障害者総合支援法

(17)障害者総合支援法に基づく障害支援区分認定を受けようとする際、視覚障害特性を十分に反映させることができる調査項目に変更または追加するよう要望する。

 

(精神・障害保健課 鈴木)

 障害支援区分については、障害の状態や程度ではなく、必要な支援の量を客観的に示す指標として、平成26年4月より導入されました。障害支援区分認定調査についても、障害者の単純な状態像ではなく、必要な支援の量を明らかにするものであるため、障害種別によらず同じ調査項目を使用し、客観性を担保するため全国一律の判定方式によって一次判定を行っています。また、調査項目で捉えきれない支援のニーズや状況については、市町村審査会による二次判定にて勘案することとしています。視覚障害者への必要な支援の量が適切に評価されるためにも、今後も認定調査員や審査会委員に対して適切な教育が実施されるよう、国としては努めていきたいと考えています。

 

(竹下会長)

 この要望については、何点かは改善をしていただいたと認識しています。ただ、いまだに「見えない」ということは、適正な質問項目になっているのだろうか。「見えない」という特性を判定するのに必要な調査項目になっているかどうかについて、お考えを伺いたい。

 

(精神・障害保健課 鈴木)

 調査項目の視力の選択肢があるのですが、そこには今まで程度区分の頃にはなかった「全く見えない」を、支援区分として見直していますので、厚生労働省としては、調査項目には配慮があると考えています。

 

(竹下会長)

 実際の判定では、未だに視力等が低く出ることが多く、それで二次判定で変わってくることが、あまりにも多過ぎる。これが何を意味しているかというと、その認定の方法等が不安定ということだ。本来は、二次判定でひっくり返るべきものは、非常に個別性が強いもので、全国の平等を図る、平準化を図る、そういう観点からの調査項目では対応仕切れない、非常に個別性の強い場合を救うためのものだと思っている。ところが、「見えない」という判定は、ある意味で適当に判断をされている部分があると言わざるを得ないから、この要求が出てくることを考えて欲しい。

 


(18)相談支援事業の報酬の増額を実現し、事業が単独で成り立つような報酬額に設定することを要望する。

 

(地域生活支援推進室 江端)

 計画相談支援、障害相談支援につきましては、今回の平成30年度の報酬改定においても、様々な意見を踏まえて見直しを行いました。具体的には3点あり、モニタリングの標準期間を見直し、その回数を増やすことでモニタリングの実施を促進させること。2つ目に、特定事業加算に対して段階制を創設し、加算を付けやすくしたこと。3つ目に、質の高い支援の実施や専門性の高い相談支援体制等を評価する、新しい加算を設けたことになります。

 こういった見直しについては、質の向上を図るとともに、相談支援事業所の安定的な運営の確保を図ることも目的としています。例えば、モニタリングの標準期間を見直したことにより、利用者1人当たりの年間のモニタリングによる報酬の増加につながるという面があります。また、必要に応じた質の高い支援を実施した場合や、専門性の高い支援を実施できる体制を整えている場合の加算を創設したことにより、支援の内容に応じて報酬を得られるようにしたこと等があります。今回の報酬改定の効果や影響等については、内容を把握して分析を行い、次の報酬改定に向けて引き続き必要な検討を行っていきます。

 

(竹下会長)

 この要望が出てくるのは我々視覚障害者だけではなく、多分、全ての障害福祉サービス事業をやっている所に共通している問題だと理解しています。日盲連が把握している限りで、相談支援事業所だけで事業が成り立つということは、あり得ないということを10人中10人までが断定しています。実際には、他の事業の職員であるとか、相談支援員の配置を考えずに2つの事業を実施することによって成り立たせる等が実態だと思います。この点は、厚生労働省でも把握はしていると思うが、今後、内容の改善点を数字で示せるようにしていきたいと思います。

 


(19)障害福祉サービスの個人負担分の所得の区分を、現行よりも細かく分けるとともに、本人のみの所得で算定するなど、所得の実情に合った算定をするよう要望する。

 

(障害福祉課 大石)

 障害福祉サービスに関する利用者負担に関しては、平成22年4月から低所得の障害者等の利用者負担を無料として、実質的に応能負担としており、また平成22年12月に成立した障害者自立支援法等の一部改正法によって、応能負担であることを法律上も明確にしています。また、利用者負担額を算定するに当たっては、民法に配偶者の扶助義務が課せられていること等を考慮して、障害者本人とその配偶者のみの所得で判断する仕組みとしています。利用者負担に係る収入認定における、配偶者の収入を考慮に入れないことについては、財源の確保状況や医療、介護等、他の制度との整合性、公平性を踏まえた国民的な議論が必要であると考えています。

 

(竹下会長)

 最後の回答はどのような意味なのか。いつもの回答ではあるが、前段と合わない気がする。障害福祉サービスというサービスの目的であったり、サービスの内容の持つ役割であったり、そういうことを前半で説明して応能負担に切り替えたと言いながら、もう一方では、他の制度とのバランスみたいなことを説明している。バランスとはどういう意味か。

 

 

(障害福祉課 大石)

 財源の確保状況、または、医療、介護等他の制度とのバランスを指します。

 

(竹下会長)

 それはおかしい。他の制度と障害福祉サービスとは質の違うものではないのか。だからこそ、障害者自立支援法から障害者総合支援法に切り替えた時に、応能負担ということを明記した。一律に応益負担的にするのはこの性質に合わないとしたから、応能負担としたはずだ。それなのに何で介護保険とのバランスを理由にするのかはおかしい。本当にその答えでいいのかどうか、もう一度、回答を考え直すべきだ。

 


(20)施設利用者(入所者)も地域生活支援事業の移動支援を利用できるよう要望する。

 

(自立支援振興室 小林)

 この要望は、障害福祉サービスの利用として回答をします。施設利用者については、施設でのサービスの提供時間内であれば、施設において移動支援を含むサービスを受けられると理解しています。現状では難しいという回答にはなるが、どういうことでお困りなのかというご意見を頂戴できれば有り難いと思います。

 

(竹下会長)

 まず、この要望が出た背景を整理したい。移動支援事業、すなわち地域生活支援事業は、自治体の判断で運営しているが、現に施設利用者、施設入所者については、同行援護は駄目だ移動支援を適用している自治体はたくさんある。つまり、そういった自治体の判断・努力によって移動の支援が実現している所としていない所があるから、この要望がある。

 また、担当者への質問になるが、歩行訓練で施設に入所した場合、外出等は誰が支援をするのかは知っているか。

 

(自立支援振興室 小林)

 施設の方が一緒に付いていくのではないか。入所中であれば、サービスの提供時間内になっているので、本来であれば施設の職員が付いて行ってくれることにはなっているはずです。

(竹下会長)

 それはありえないことで、大半はボランティアが対応している。大概の所はボランティアにお願いして、それを利用する形で移動支援を行っている。

 例えば、一番極端な例だが、10人入所している施設において、その内5人が同時に外出しようとした場合、職員で対応できるだろうか。また、例えば10人や20人の入所施設において、1人の視覚障害者が外出するのならば、その施設の職員が頑張ったら、外出サポートはできるかもしれないが、施設側は、そもそもそういったことを想定していないため対応できないことが多い。つまり、ボランティアを利用することで実際の外出を確保しているのが実情だ。

 この問題については、厚生労働省からはいつも重複支援だから難しいとしているが、実際の施設で、外出の支援ができているのであれば、この要望は出てこない。やはり根本的な解決が必要ではないだろうか。例えば、地域生活支援事業の移動支援であれば、自治体の判断になり、まだ限定的ではあるが通学等で利用をしている所もある。つまり、自治体の努力で上手く支援をしている所もあるわけだが、厚生労働省は、このような自治体の努力に任せておくだけでよいのか。せめて文書等で、移動支援の活用を自治体に促すことはできないのか。是非、検討して欲しい。

 


(21)障害福祉サービスを受けている視覚障害者が、65歳で介護保険へ移行されることによって、サービスの低下や経済的負担が生じることを避けるため、年齢に関わらず障害者総合支援法によるサービスを利用できるよう要望する。

 

(障害福祉課 大石)

 年齢にかかわらず、障害者総合支援法によるサービスを利用できるようにして欲しいという内容として回答をします。

 まず、障害者総合支援法と介護保険法の適用関係については、障害を持つ方についても、他の障害を持たない方と同様に、40歳以上になれば介護保険料を支払っていただくとともに、サービスの利用に当たっては、現在の社会保障制度の原則である、保険優先の考え方の下、まずは介護保険制度に基づく介護保険サービスを利用することになっています。ただし、介護保険サービスに相当するようなものがない、障害福祉サービス固有のサービスと認められるものを利用する場合、市町村が適当と認める支給量が介護保険サービスのみによって確保することができないと認められる場合には、障害者総合支援法に基づくサービスを受けることも可能となっています。サービスの支給決定に際しては、市町村においてサービスの利用に関する具体的な内容や意向を把握した上で、個々の障害者の状況に応じたサービスが提供されることが必要と考えており、今後ともこうした考え方の周知徹底に努めていきたいと考えています。

 なお、介護保険への移行に伴う経済的負担の増加につきましては、平成28年の法改正によって創設し、平成30年4月より利用者負担軽減措置を実施している。これにより、介護保険に基づく利用者負担が発生する障害の程度が一定以上である方々への対応を行ったところであり、引き続き高齢障害者が必要な支援を受けられるように取り組んでいきたいと考えています。

 

(竹下会長)

 今回、共生型サービスの実現と、65歳問題としての利用者負担の介護保険へ移行した場合の負担の軽減ということで償還払いを導入したことについては、非常に大きな前進だと思っておりますので、高く評価したいと思います。ありがとうございます。

 ただ、ご理解をいただきたいことがあります。1点目は、この利用者負担の関係では、視覚障害者は基本的には適用されないと思ってください。適用は障害支援区分2以上かと思いますが、全盲だけの単独障害で、視覚障害で支援区分2が出る人は皆無で、非該当である自立か支援区分1しか出ません。また、今回の償還払いでは、視覚障害者が利用できるのはホームヘルパーと居宅支援になるかと思います。ただ、やはり支援区分2以上の人というのは、視覚障害者では殆どいないため、対象にならない。こういった実態があることは理解して欲しい。

 そして、2点目は、自治体の判断でと回答があったが、介護保険へ移行した場合、様々な弊害が起こります。例えば、同行援護事業が65歳になったら利用できませんと説明する自治体が多いことがあります。また、もっと問題なのは通院に関することで、介護保険の通院介助があるのは事実ですが、その場合も含めて同行援護を使えるとしているのに、自治体は理解しないことで同行援護が利用できない実態がります。さらに、足りない部分を障害福祉サービスで補うことができるのに、この点も全然理解されていないため、結果的に同行援護が利用できません。

 このような背景があるから、この要望があることを理解して欲しい。もちろん、視覚障害者も65歳の利用者負担の恩恵を受けられるようにちゃんと対処することも求められるし、要件の緩和や、自治体への周知徹底が求められる。是非、前向きに検討をして欲しい。

 


(22)介護保険のデイサービスの報酬について、視覚障害者の受け入れがしやすい報酬に設定するよう要望する。

 

(老健局振興課 小俣)

 高齢者の問題ですが、共生型サービスに関わる内容になりますので、老健局で回答させていただきます。

 まず、高齢の障害者でも、従来から障害福祉で受けてきたサービスを継続して受けやすくするという観点から、平成30年度より共生型サービスが創設されています。そして、既に介護保険サービスの指定を受けているデイサービス事業所が、共生型サービスの事業所として指定を受けることで、障害者を受け入れた場合でも報酬上評価されることになります。その場合の具体的な基準・報酬は、サービスの質や専門性を確保する観点から設定されており、共生型サービスの事業所において、サービス管理責任者を配置している場合、加算で評価をしています。

 

(竹下会長)

 この要望は、今回の共生型サービスでどこまで解決するかが大きなポイントだと考えています。この要望の背景を説明しておくと、デイサービスの事業所は、全盲等の視覚障害の利用者を手間がかかるとして受入を拒否しています。そのため、この要望が出てきています。今回の共生型の事業指定を進めることで解決するのかどうかは分かりませんが、是非、視覚障害者が利用しやすいデイサービスになるよう、引き続き、検討をしてください。

 

 

Ⅴ 日常生活用具給付等事業

(23)晴眼者の同居家族がいると給付対象とならない音声式腕時計・音声式体温計などの日常生活用具の給付要件の改善を国が自治体に働きかけるよう要望する。

 


(24)日常生活用具の給付においては地域間格差を解消するため、国において品目の指定、耐用年数と基準額の指針を示すよう、制度の改正を要望する。

 


(25)日常生活用具給付等事業において、障害者の個々のニーズ及び生活実態に合った品目が指定され、あるいは条件が緩和されるよう国から自治体に働きかけることを要望する。

 


(26)全ての施設入所者にも、国の責任において日常生活用具が給付されるよう要望する。

 


(27)原発の立地されている都道府県において、音声線量計(しゃべる線量計)を日常生活用具の給付対象品目とすることを国が自治体に働きかけるよう要望する。

 


(28)音声ガイド付きICレコーダー、歩行時間延長信号機用小型送信機に対応した個人向け自宅玄関用音声標識ガイド装置を、日常生活用具の対象品目とすることを国が自治体に働きかけるよう要望する。

 


(29)DAISY再生機と拡大読書器の日常生活用具給付対象者を視覚障害者手帳所持者全員に広げることを、国が自治体に働きかけるよう要望する。

 


(30)音声で操作できるスマートフォンなどの携帯端末を日常生活用具の給付対象に加えるよう、国が自治体に働きかけるよう要望する。

 

(自立支援振興室 大久保)

 地域生活支援事業の中の1つの事業である日常生活用具給付等事業については、実施主体である各市町村において自ら創意工夫し、障害者のニーズ等を留意しながら、地域の実情に応じて柔軟な形態で効果的な事業展開が可能な制度になっています。そのため、ご指摘をいただいた品目のみならず、上限額や対象者等の詳細については、国が一律で決めているのではなく、市町村が地域の実情に応じて定めることになります。

 なお、この事業の対象となる用具の製作・改良又は開発に当たって、障害に関する専門的な知識や技術を要するもので、日常生活品として一般的に普及していないものといった要件を設けています。そのため、陳情項目(30)にありましたスマートフォンは、一般に普及していないものという要件に合致せず、日常生活用具の対象とするのは適当ではないと考えています。厚生労働省としては、今後とも各市町村において、地域の実情に応じ、必要な給付が適切に行われるよう、全国会議の場等を通じて周知の徹底に努めていきます。

 

(竹下会長)

 この日常生活用具の要望についての問題を考えると、次の3点が重要かと考えている。1点目は、結局のところ、国が示している日常生活用具の基準が自治体に理解されていないことに尽きるのではないか。2点目は、指定品目を含めて、ある程度ガイドラインを自治体に示さないと、制度的にやはり難しいのではないか。そして、3点目は、もともと地域生活支援事業そのものの問題になるが、自治体に丸投げという、今の地域生活支援事業の在り方の矛盾をこのまま放置していいのか、になる。

 1点目の自治体に制度が理解されていないのではないかという点では、例えば、点字ディスプレイという用具を例にしたい。この用具は、当初は盲ろう者が対象としていた経過があるものの、厚生労働省としては視覚障害単体でも対象になり得るとしているが、未だに認めない自治体が多い。また、他の用具では、指定品目であるのに、家族の有無等で給付をしない等、その基準すら守っていないこともある。全国の視覚障害者は、自治体の窓口で嫌になるほど給付をして欲しいとお願いをしているが、自治体は一向に考えを改めてくれない実情がある。

 2点目については、抽象的に示された基準の中で、ある自治体はそれを該当、ある自治体はそれを該当しないという判断が行われている。この状況を、国として野放しにしてよいのかということを真剣に考え直し、この状況を防ぐことも考えないといけないのではないか。

 3点目については、自治体の判断で行われる制度である限り、このような地域間格差というのは絶対に避けられないことは理解している。厚生労働省は、これを地域間格差ではなく、地域の実情に合わせた差であって、それは不均衡ないしは不当なものではないと説明している。ただ、それでいいのだろうか。また、視点を変えると、補装具は国の事業で、日常生活用具は地域の自治体の事業としたら、同じ用具なのに区別していいのかという問題もある。視覚障害者の日常生活や社会復帰参加を保障していく同じ用具なのに、このまま分けていて良いのだろうか。

 

(自立支援振興室 大久保)

 厚生労働省には、各自治体から用具の給付に関する相談が寄せられていて、相談を受けていると、窓口の方が障害者の実際の生活像をうまく把握していないという印象はある。その相談には、それぞれの障害者の実情に合わせてご判断くださいということしかアドバイスが出来ないが、この点は、全自治体に周知できるようにしていきたいと考えています。

 

(女性協 兼目)

 自治体は、国からきちんと通達が出れば対応すると思います。一応、地域生活支援事業になっていても、国から指針が出ていることを踏まえて私たちが要望すれば、ある程度、自治体も対応してくれる。しかし、自治体の担当者からは、いつも国からはそういう通達が出ていないからと言われ、逃げられてしまう。やはり、国から何らかの指針は出して欲しい。

 

 

Ⅵ 意思疎通支援事業

(31)意思疎通支援事業における、代読・代筆の実施と従事者養成カリキュラムを国が定め、市町村が事業を実施しやすくするとともに、点訳・音訳・拡大文字等も必ず実施することを要望する。

 


(32)全国の自治体で、意思疎通支援事業に視覚障害者を対象とする代読・代筆サービスを早急に加えるよう、国から自治体に指導するよう要望する。

 


(33)意思疎通支援事業の視覚障害者を対象とする代読・代筆サービスの充実を要望する。

 


(34)意思疎通支援事業としての点訳・音訳、さらには代筆・代読を地域生活支援事業の必須事業とし、支援者養成カリキュラムを策定するよう要望する。

 

(自立支援振興室 高村)

 厚生労働省としては、視覚障害者に対して、代読・代筆、また点訳・音訳等の様々な方法による情報支援、意思疎通支援が重要であると考えています。代読・代筆、また点訳・音訳による支援については、自治体が地域の実情や障害者のニーズに応じて実施する地域生活支援事業の必須事業である意思疎通支援事業の中で実施することとされており、実施要綱においても、その実施方法として代読・代筆、点訳・音訳を具体的な例示として表しているところです。全国主管課長会議等の場においても、視覚障害者が意思疎通を図る方法として、点訳・音訳、代読・代筆があり、それぞれのニーズを的確に把握し、円滑な事業の実施に努めるようお願いしているところです。各自治体に対しては、引き続き周知徹底をしていきたいと考えています。

 また、代読・代筆支援については、その支援方法、支援手法がいまだ確立されておらず、自治体が積極的に取り組みを行えていないことを踏まえ、今年度の障害者総合福祉推進事業において視覚障害者への代読・代筆支援に関する調査・研究として、その実態把握、またニーズの調査に取り組んでいただくところです。この事業は日盲連に委託をし、その結果を踏まえて、厚生労働省としても、必要な支援の検討をしたいと考えています。

 

(竹下会長)

 今年度の障害者総合福祉推進事業で、どこまで日盲連がこの改善に向けた提言ができるか、更に言うならば、カリキュラムを含めて自治体が意思疎通支援事業をいかにして実施しやすくするかを提示できるかが重要だと思っています。

 その上で点訳・音訳についてお伺いをしたい。点訳者・音訳者養成事業を実施していない都道府県があるのはご存じですか。

 

(自立支援振興室 高村)

 はい。

 

(竹下会長)

 このことは、どう思いますか。やはり、代読・代筆は非常に重視され始めてきたけれども、点訳・音訳を実施していない都道府県があるというのは、必須事業でないからという理由に尽きると思ってしまいます。代読・代筆は、まだサービス内容も支援員養成のカリキュラムも未成熟です。しかし、点訳・音訳は歴史があり、我々も自分たちの文化として育てているにも係わらず、それですら必須事業でないために実施していない自治体がある。これは問題ではないだろうか。

 そして、代読・代筆についての具体的な課題を考えると、契約に関する点では課題が多い。銀行での代読・代筆は金融庁からの通達で改善はされた。しかし、保険契約や売買契約等では代読・代筆が大きな課題になっている。例えば、ガイドヘルパーに代読をしてもらう中で、法律に関わる権利義務の損・得に関わるような文章を読んでもらい、後で内容を理解していなかったなどということが起こったら重大な問題になる。そのため、代読・代筆というのは、視覚障害者の日常生活や社会生活の中では大きな役割を果たしていることを、まずは厚生労働省にも強く認識をして欲しい。

 

 

Ⅶ 年金・手当

(35)物価上昇の中、視覚障害者の生活安定を図るため、障害基礎年金額の増額を要望する。

 


(36)視覚障害者が安定した生活を送るため障害基礎年金の高齢加算を要望する。

 

(年金局年金課 土井)

 年金は、稼得能力の喪失に対して所得補償を行うことを目的としていますが、通常は、加齢に伴って起こる稼得能力の喪失が原因として障害状態となって、早期に到来することに対応した年金が障害年金となっています。こうした考えに従って、障害年金の額は老齢年金と同水準であることを基本としております。また、年金の水準については、少子高齢化が急速に進行する中で、長期的な給付と負担の均衡が保たれるよう決定する必要があり、保険料水準の上限が、固定されている中で、賃金や物価の上昇率を超えるような給付、または給付の改善を行うことは困難であることをご理解いただきたいと思います。なお、一定の所得以下で、障害基礎年金を受給している方には、消費税の10%の引上げ時に併せて実施する福祉的な給付により、障害1級の方には年7万5,000円、2級の方には年6万円を年金と同時に支給することとしており、年金と相まって今まで以上に障害のある方の生活を支えたいと考えています。

 

(竹下会長)

 物価の上昇の点では、実際、この間の物価の上昇に年金の改定は追い付いているのだろうか。賃金は上昇しているけれども、物価の上昇との絡みで実質賃金は下がっている。ところが、年金は全く上がってなく、むしろ下がっている。今の説明と合致していないではないか。

 

(年金局年金課 土井)

 現行の年金額の改定の仕組みですと、基本的には既に年金を受給している方に関しては、物価でスライドさせており、新しく新規に査定される方に関しては、賃金で年金額を改定しています。現行の年金額の改定のルールでは、今年度は賃金の上昇率よりも物価の上昇率のほうが高かったので、現役世代に配慮して、賃金の上昇率に合わせるということになるのですが、今回は賃金の上昇率がマイナスだったので、年金額は据え置きというルールに沿ってそのように対応になりました。

 

(竹下会長)

 そのルール自体がおかしいのではないか。一方で物価の上昇と言いながら、物価の上昇と賃金の関係で、賃金が物価の上昇に追い付いていないから、物価の上昇は今回は考慮しないということでは、納得できるわけがない。結局、物価の上昇に対応していないという答えだろう。

 

(年金局年金課 土井)

 そうです。完全には物価の上昇には対応しきれていません。それに関しては、もちろん年金額の給付というのは、現役世代の方が払っている保険料を原資にしているので、現役世代の方の負担を全く見ないということは、やはり難しいと思います。そのため、賃金が下がった場合というのは、現役世代の方の負担を考慮して、賃金のほうのスライド率に合わせています。

 

(竹下会長)

 そのような仕組みがおかしいから、年金を大きな所得・収入の基礎にしている障害者の世帯においては、非常に困っている実情がある。障害者は物価が上がっているけども、年金は上がらない、下手したら下がってしまうから困っているということが理解できないのか。

 


(37)年金のみで生活している視覚障害者が増加してきているので、消費税引き上げに相当する手当ての創設を要望する。

 

(障害保健福祉部企画課 堀口)

 かねてより、障害のある方の収入の確保は重要な課題と認識しています。その上で、障害者については、低所得者の福祉サービスの利用者負担を0円とする等配慮しているほか、障害年金や特別障害者手当等の支給、障害福祉サービスによる一般就労への移行支援、障害者就労施設への発注促進や工賃向上に取り組み、収入の確保等に取り組んでいるところです。また、先ほど陳情項目(35)と(36)で説明があったとおり、障害基礎年金を受給している方には、消費税の10%への引上げ時に合わせて実施する福祉的な給付により、障害1級の方には年7万5,000円、障害2級の方には年6万円を年金と同時に支給すると、そういった施策を実施しています。また、重度の障害を持つ方への福祉的な給付として、特別障害者手当等については、実価物価スライド制が取られており、今後、消費税の引上げが行われ、全国消費者物価指数が増減した場合には、それに応じて支給月額が改定されることになっています。

 

(竹下会長)

 これは質問だが、説明にあった福祉的な給付は、消費税の増税と連動するということでよいのか。

 

(障害保健福祉部企画課 堀口)

 消費税の増税時に合わせて実施する予定ですので、財源というのは消費税の増税分です。消費税で増税した分で、財源はそれを賄っています。

(竹下会長)

 つまり、ある意味では、低所得者対策になるのか。

 

(障害保健福祉部企画課 堀口)

 そうですね。

 

(竹下会長)

 障害基礎年金を受けている人が対象ということは、消費税分上がっても、障害基礎年金を受けていない者に対しては出ないということか。

 

(障害保健福祉部企画課 堀口)

 そうですね。広く低所得というよりは、低年金の方が対象と考えていただきたい。

 

(竹下会長)

 しかし、消費税は上がって、それと連動して給付金が出るようだが、それは障害基礎年金を受給している人だけになり、無年金の人は給付の対象にならないのはおかしくないか。この点は理解できない。

 

(障害保健福祉部企画課 堀口)

 無年金の方に出ないというのは、そもそもこの年金生活者支援給付金という制度の発足の趣旨が、まず、最初は低所得、低年金の方に対する年金加算という形で制度を作ろうという話になっていました。ただ、その中でやはり年金加算、年金という形で出してくると、今まで保険料をしっかり払っていた人との観点から不公平ではないかという話になり、年金制度の枠外でやるという話になって、その財源は消費税増税時の財源を使うということで、恒久的な措置にすることになりました。そもそもの出発点が低所得、低年金の方に対する救済策ということなので、もともとそこに無年金の方に対する救済という趣旨は入っていなかった。つまり、今のところ低所得、低年金の方に対する救済制度という形で福祉的給付をするという、そういう成り立ちになるため、無年金の方に対しての給付金という形で出すということではありません。

 

(竹下会長)

 それは違うのではないか。片一方で、年金が足りないから足しているような説明があり、もう片一方では消費税が上がって、それで生活が圧迫するから足したみたいな説明があり、都合のいい使い分けをした説明になり、何かごまかされているような気がしてしまう。結局は、無年金の人には何もでないのではないか。

 

(障害保健福祉部企画課 堀口)

 それは、無年金の方に対しては、制度の発足当時から別に対策を進めているということになるからです。

 

(竹下会長)

 それは全然説明になっていない。低所得対策で出しているのに、無年金者に出さないというところは理解ができない。もっと障害者の実情を考えて制度を作って欲しい。

 

 

Ⅷ その他

(38)重複視覚障害者の数、教育の実態、日常生活における困難及び就労等の社会参加の実態を把握するための調査を国の責任において実施するよう要望する。

 

(障害者雇用対策課 宮北)

 この要望は、就労の観点から回答をします。

 視覚障害者の雇用実態を把握するために、平成29年度から独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構において、視覚障害者の雇用の実情及びモデル事例の把握に関する調査・研究を実施しており、就職に向けた関係機関の連携や、中途視覚障害者の雇用継続支援に関する好事例を収集しているところです。この研究結果を活用し、視覚障害者の雇用の促進に努めたいと考えています。

 

(竹下会長)

 この要望の中では、教育のことや日常生活のことが障害者雇用対策課の範疇でないことは理解しているが、本来、この要望は、視覚重複障害者の実態把握を、障害福祉サービスの中でしっかりと把握しているのかという質問が含まれている。ただ、就労実態調査の中で、身体障害とひとくくりにされ、障害種別の就労実態は把握できていないことも問題である。この限りでも、重複障害者は少ない存在かもしれないが、最重度であることは変わりがない。

 また、このような回答を聞いてしまうと、行政の縦割りの悪い面を感じてしまう。この要望も含め、就労分野だけで終わるのではなく、関係セクションで横の連携を取るべきではないか。もっと真剣に考えて欲しい。

 


(39)視覚障害当事者に対する合理的配慮や情報保障の観点から、視覚障害者の団体などで必要な職員の配置ができるように補助制度の創設を要望する。

 

(自立支援振興室 大久保)

 障害当事者が団体を作り、活動を行うことは大切な取り組みであると考えています。しかしながら、団体によってその規模、形態、目的、活動内容は様々であり、また団体の維持、運営のために必要となる職員の確保については、団体固有の問題であることから、補助制度で手当てすることは、適当でないと考えております。

 

(竹下会長)

 この要望の背景には、民間であろうが、公共機関であろうが、それぞれの所で情報保障や合理的配慮を進める中で、コスト面等で個別に進まない実情がある。そして、視覚障害者団体に情報保障のための支援、助成をすることを考えると、抽象的な助成金では駄目だと思うので、効率的な情報保障のシステムを作るという提案を含めて、この要望を出している。団体助成金というよりも、環境整備の一環として補助をする仕組みとして考えていただきたい。是非、内部で議論して頂きたい。

 


(40)障害者手帳の視覚障害者認定を「視野障害のみ」で受けている人に対しても、眼鏡(矯正眼鏡、度の入った遮光眼鏡、弱視眼鏡等)の支給を認めるよう要望する。

 

(自立支援振興室 大久保)

 手帳の「視野障害のみ」を受けている方に矯正用の眼鏡の支給をというご質問として、回答をします。

 補装具費支給制度は、失われた身体機能を補完又は代替し、就労又はその他の日常生活の効率の向上等を目的として、補装具の購入又は修理に対し、その費用の一部を支給する制度となっています。補装具費の支給に当たっては、各市町村において専門職員及び補装具業者との連携を図りながら、身体障害者の身体の状況、性別、年齢、職業、教育、生活環境等の諸条件を考慮して行うものであり、必要があると認められた場合は補装具費が支給されています。ご質問いただいた矯正眼鏡に関しては、視力障害を理由とする身体障害者手帳の交付を受けた方であって、矯正眼鏡にて視力が改善される方を給付対象としています。そのため、それ以外の方に関しては、遮光眼鏡の支給に当たり、矯正機能を付加した眼鏡の購入費用を支給することは適当ではないと考えています。

 

(竹下会長)

 この回答で本当にいいのか。今回の視覚障害の認定基準の改定により、手帳の等級の基準が新しくなった。しかし、その人が弱視眼鏡の必要性がないかどうかというのは、どこで判断するのか。また、こういった人を、弱視眼鏡の対象から外していくことに合理性はあるのか。回答のように、弱視だからこそ出しているということは正しいが、遮光眼鏡や弱視眼鏡になると、手帳の有無だけでは分からない。この要望は、そういった手帳に入らない人も対象にして欲しいということを要望している。特に今回の認定基準の改定によって、こういった人が増えてくることは想定されている訳だから、しっかりと検討をして欲しい。

 


(41)2018年7月から「視覚障害」に関する身体障害者認定基準などが改正されたことにより、申請者が周知されないまま不利益を被ることがないよう、国として対策を講じるよう要望する。

 

(企画課 諏訪林)

 まず視覚障害の認定基準については、昨年の視覚障害の認定基準に関する検討会における議論を踏まえて、省令改正、通知改正等を行い、平成30年7月1日から施行されたところです。

 この改正については、平成30年4月27日付けで、身体障害認定に携わる関係自治体や、日本眼科学会、日本眼科医会に対する周知及びその依頼を行っており、施行後にも平成30年7月5日付けで日本医師会に対して周知をお願いしたところです。今後も引き続き適切な周知を行っていきたいと考えています。

 

(竹下会長)

 回答において、視覚障害の当事者に対する周知が全く入っていない。この点はどう考えているのか。

 

(企画課 諏訪林)

 厚生労働省としては、なかなか当事者の方との接点が少ないのが現状です。この点については、是非、日盲連に協力を仰ぎたい。

 

(竹下会長)

 日盲連としてはもちろん協力をしますが、ただ、会員外、特に視覚障害者の関係団体と接点が無い人へのアピールは課題となっている。このような者にも呼びかけをしたいと思うので、日盲連からも厚生労働省に協力をお願いしたい。

 


 厚生労働省(職業関連)

 

1.日時

 平成30年7月11日(水)10時40分~12時00分

 

2.場所

 中央合同庁舎第5号館1階共用第3会議室

 

3.出席者

(1)日本盲人会連合

                   副会長  小川 幹雄

                  相談室長  工藤 正一

                  事業部長  逢坂  忠

                    参与  大胡田 誠

                   事務局  小柴あやこ

                   事務局  清水 智子

(2)厚生労働省

 特別支援室

  障害者企画係            係長  重野  聡

 保険局

  医療課              専門官  都竹 克宜

 医政局

  医事課               主査  深山 敦之

 職業安定局

  障害者雇用対策課 雇用援助係    係長  井門 慎平

           雇用指導係    係長  寺田  岳

           調整係          鍛冶 良樹

           職場適応援助係      谷本 七海

 

4.要望事項、回答、意見交換

(1)視覚障害者の三療(あはき業)における業種を擁護し、あん摩マッサージ指圧を生業にしている者たちの自活と生活向上を図るため、あん摩師等法第19条の堅持を要望する。

 

(医事課 深山)

 あん摩マッサージ指圧師は、古来より、視覚障害者にとって重要な職業であると認識している。現在、同法については、憲法第22条第1項の職業選択の自由に違反して違憲であるという旨の訴訟が提訴されているが、厚生労働省としては同法の憲法適合性について、引き続き主張していきたい。

 

(小川副会長)

 19条問題は、結果によっては視覚障害者の生活権にも関わる。是非、国にも頑張っていただきたい。

 

(医事課 深山)

 厚生労働省としても全力で取り組んでいきたい。

 


(2)無免許者が「マッサージ」と広告することへの徹底した指導と取締りの強化を要望する。

 


(4)無資格者を取り締まるために、取締り事例を示し、指導体制を強化することを要望する。

 

(医事課 深山)

 陳情項目(2)と(4)は近いので、一緒に答えさせていただく。現在、無資格者が行う医業類似行為で、禁止処罰の対象となるものは、人の健康に害を及ぼす恐れのある業務に限局されている。

 また、人の健康に害を及ぼすかの判断は、施術を受けた健康状態や年齢等を考慮する必要があり、違法行為であるかは実際に行われた行為について個別に判断をする必要があるため、一律の規制は難しい面があるかと考えている。

 しかし、法的な資格制度がない医業類似行為等により事故が発生することは、公衆衛生の観点から看過できないものであり、平成29年7月11日に改めて都道府県等に指導を依頼するとともに、平成30年3月9日開催の全国医政関係主管課長会議においても、的確な取り組みを依頼している。具体的には、無資格者による違反行為は、消費生活センターの健康被害に関する情報を活用し迅速な指導を行いつつ、悪質な事例については警察と連携の上、告発等も検討する等、連携した指導、取締りを行っていきたいと考えている。

 無資格者の広告については、あん摩マッサージ指圧師による施術が行われていない施設で、マッサージ等と広告することは、一般人が誤認する恐れがあるため、このような広告を行わないように指導する。広告については、社会保障審議会医療保険部会のあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会、柔道整復療養費検討専門委員会において、適正化を行うべきとの指摘があったことを受け、平成30年5月10日より、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会で、国民に対するあはき柔整等の情報提供内容の在り方について検討を行っている。

 

(逢坂部長)

 昨年7月11日に改めて都道府県等に行った指導依頼の具体的な方法を教えてほしい。

 

(医事課 深山)

 事務連絡で、都道府県宛てに依頼をさせていただいた。

 


(3)無資格者取締りの徹底を図るため、厚生労働大臣免許保有証の啓発を要望する。

 


(8)厚生労働大臣免許保有証が身分証明書としても使用できるよう、機能の拡大を要望する。

 

(医事課 深山)

 陳情項目(3)と(8)も一緒に答えさせていただく。無免許マッサージの問題として、有資格者と無資格者の区別がつきにくいとの意見が非常に多く、関係団体に協力いただきながら、有資格者が外形的に分かるよう方策を検討してきた。平成28年3月28日、公益財団法人東洋療法研修試験財団で厚生労働大臣の免許保有証を発行し、告示のリーフレットや、都道府県への積極的な取り組みの依頼をしている。ただ、厚生労働大臣の免許保有証は、施術所に入って確認できるものであるため、施術所外から国家資格の保有を確認できるものとして、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会の検討を踏まえ、ガイドライン作成等を検討させていただき、無資格者に対する取締りの徹底を図っていきたい。厚生労働大臣免許保有証を身分証明書としても使用できるようにとの要望だが、身分証明書は提出先によって取扱いが異なり、それを厚生労働省で統一するのは難しい。免許保有証発行の項目を追加する等であればできると思うが、身分証明書として認められるかは、受け手の判断による。例えば住所やマイナンバー等を追加してほしい等があれば要望として承るが、趣旨を伺いたい。

 

(小川副会長)

 身分証明書として運転免許証が使われるが、視覚障害者は運転免許証が取得できないため、それに代わる証明書がほしい。身分証明書にするために追加する項目があれば、東洋療法研修試験財団、あるいは業界等に働き掛けて項目追加をと思う。項目を付け足せば身分証明書とすることが可能なのか。

 

(医事課 深山)

 身分証明書になるかは受け手側の判断となる。例えば、名前と生年月日、住所が入った運転免許証に近い形にしても、それを身分証明書として受け取るかは、受け手側の判断である。

 身分証明書として例えば、マイナンバー、あるいは保険証を使用するのはどうか。

 

(小川副会長)

 それらもあるが、もし免許保有証が身分証明書となれば免許保有証の普及にもつながり、無資格者との区別をはかることもできる

 

(医事課 深山)

 無資格者との区別という観点でいえば、広告検討会で、看板等に資格保有者と書くことになれば、周知は前よりも分かりやすく、国家資格保有が目につくと思う。

 

(小川副会長)

 身分証明書となるか否かについては、検討材料でよいか。

 

(医事課 深山)

 この件については、広告検討会で話をしていただきたい。

 

 

(小川副会長)

 無資格者による違反行為について、悪質な事例については警察庁、警察と連携とのことだが、通知はどのくらい出て、警察との関わり合いが増えているのか。

 

(医事課 深山)

 警察からも、事例についての問い合わせや連絡が来ることもあり、広告検討会でガイドラインが出れば、それに基づき、悪質な事例は警察に取締りをしてもらうという流れを想定している。

 

(小川副会長)

 消費者庁が被害事例を公表しているにもかかわらず、警察庁に確認したところ、昨年の検挙事例は0とのことだった。広告検討委員会でガイドラインが出れば、きちんとした取締りができるのか。

 

(医事課 深山)

 そのように考えている。実際に警察が動くにしても、判断する材料がないと動きようがないが、広告検討会でのガイドラインが根拠となり検挙率も上がってくると思う。

 

(小川副会長)

 健康上、害を及ぼす恐れがある場合は禁止処罰の対象になるとのことだが、実際は相当な被害が起きた時の患者の訴えが前提となるのだと思う。健康に害を及ぼす恐れがある行為かを精査していただけないか。

 

(医事課 深山)

 海外では厳しく取り締まっている国もあるが、日本国内では東洋医学も含めていろいろなものができており、線引きが難しい。専門知識を持たない方が医療類似行為を行うことについては、厚生労働省としても厳しく取り締まっていきたいと思っている。ただ、これまで生計としてきた方の反発、憲法第22条第1項の職業選択の自由との兼ね合い、人に触っただけでは危害ではない等、線引きが難しく、規制していくのは少し難しいと考えている。

 

 

(小川副会長)

 そのスタンスにより、被害事例が増えていることが実態で、何らかの規制を考えていただきたい。また、指導体制についても、保健所や地方厚生局依頼をしても、人が足りないとのことで対応をしてもらえない。

 

(医事課 深山)

 消費生活センターへ相談するという方法もあるかと思う。広告検討会のガイドラインをもとに、消費生活センターとしても動きやすくなり、取り締りをしていければと思う。

 

(逢坂部長)

 ガイドラインができるまでに、まだしばらくの期間が必要な点については、どうお考えか。

 

(医事課 深山)

 5月10日の第1回目広告検討会の資料に、年末までに6回の検討会を開催し、ガイドラインの取りまとめは年末をめどに進めているとある。今が7月なので、半年は現状で取り組ませていただきたい。

 

(逢坂部長)

 国民の側にしてみると、健康被害は減っておらず、検挙事例もそれほど増えてはいない。線引きが難しいことは十分認識をしているが、一方で被害報告が減らないことを踏まえ、主管課長会議を通じて指導の強化も含めて行っていただきたい。現に被害の事実もあり、しっかり対処していただきたいことを申し上げておく。

 


(15)視覚障害者が居住する都道府県において、視覚障害者の希望に沿った職業訓練が受けられるよう要望する。

 

(障害者企画係 重野)

 現在、全国18所に設置されている障害のある方を対象とした職業能力開発校において、視覚障害者を対象とした職業訓練を実施している。ここでは寮も完備しており、現在比較的入居可能な状態で、併せてご利用いただければと考えている。

 また、このほか、各都道府県において、障害者の委託訓練を実施しており、地域の視覚障害者支援団体に委託をして、職業訓練を実施している。今後とも職業訓練の機会を提供できるように、都道府県にも呼びかけていきたい。

(小川副会長)

 全国18所それぞれで視覚障害者の職業訓練が行われているのか。行われているなら、訓練の種類を教えていただきたい。

 

(障害者企画係 重野)

 平成28年度の直近の実績でいうと、13所で視覚障害者を対象とした職業訓練が実施されている。具体的な訓練内容は、システム設計、ビジネスアプリの開発等のパソコン関係の訓練が多く実施されている。一般事務科、CAD技術科等の事務系、パソコン系の訓練を受講されている。

 

(工藤室長)

 全国18所にある、障害のある方を対象とした職業能力開発校を設置している県名を教えてほしい。

 

(障害者企画係 重野)

 北海道、青森、宮城、千葉、埼玉、東京、神奈川、石川、静岡、愛知、大阪、兵庫、京都、岡山、広島、福岡、鹿児島。兵庫県内には2校あり18校。

 

(工藤室長)

 18校全てが視覚障害者を対象とした職業訓練を行っているわけではないと思うが、例えば北海道、青森は行っているのか。

 

(障害者企画係 重野)

 北海道、青森は、直近の実績では実施はない。ただ、都道府県に委託して実施する委託訓練では北海道は実施した実績がある。

 

(工藤室長)

 委託訓練は、比較的短期の訓練だったかと記憶している。

 

(障害者企画係 重野)

 6か月程度の訓練である。

 

(工藤室長)

 委託訓練のうち、視覚障害者を対象としたものはどのぐらいあるのか。

 

(障害者企画係 重野)

 委託訓練だけを抜き出したデータは、今、手元にないため分らない

 

(工藤室長)

 全部で委託訓練は何所ぐらいあるのか。

 

(障害者企画係 重野)

 委託訓練は、実施団体としては47都道府県で実施している。

 

(工藤室長)

 全国の視覚障害者から相談を受ける中で、岩手や茨城で職業訓練を受けたいとの相談を受けることがあるが、現実には受ける場所がない。委託訓練で対応しているとのことだが、実際に行ってくれる所がない。職業能力開発校が全国に18か所とのことだが、各都道府県に設置していただきたい。少なくとも職業訓練を受けやすい形での施策を行ってほしい。また、これから就職する人で、遠方の人は雇用保険法等での受講指示という形で、所沢や吉備高原等の宿泊できる所で訓練を受けられるが、そうでない所の人は、なかなか訓練を受けられない。受講指示等で、東京等の訓練施設のある所で訓練を受けやすい仕組みと、在職の人が中途で見えなくなったときには、その人たちにもそういった所で受講できる仕組みを検討していただきたい。雇用対策法の中に、広域職業紹介、広域求職活動の制度があるが、その対象に在職者も含めていただきたい。ハローワークは新規の就職だけでなく、在職中に中途失明した人の職業訓練も支援するとし、受講指示を出してもらえれば可能になると思う。これは要望としてお願いしたい。

 


(5)柔道整復師の療養費不正受給について、国へ適正化を要望する。

 

(医療課 都竹)

 現在、柔道整復師の療養費について、この療養費に係る不正請求の対応について療養費検討専門委員会で議論している。この中で、レセプト、支給申請書を審査する柔道整復師審査会の権限を強化して、不正請求の疑いが強い施術所の資料を提出、審査会に来ていただいて説明をする仕組み、保険者等から、不正請求の疑いが強い施術所に関する情報を厚生局に通報、地方厚生局でこれを優先的に個別指導や監査を迅速に行うといった見直しをしている。引き続き、この療養費検討専門委員会で意見等を伺いながら、必要な対策を検討して実施していきたい。

 

(小川副会長)

 柔道整復業の人がマッサージを行う際、医師の同意書は要らないため、肩こりや疲労を負傷原因のある外傷として不正に請求をする振替請求をしている施術所がある。国民にとっては、マッサージ免許を持った人からマッサージを受けるのが一番いいと思うが、業の範囲の認識についてお聞きしたい。

 

(医療課 都竹)

 マッサージ単独で行うもの、いわゆる慰安的なものについては、マッサージ師の業と承知している。柔道整復師が行う業は、骨折、捻挫、打撲で、療養費の支給対象も、それらの外傷性が明らかな「怪我」となっている。怪我を治療するため、一部分でマッサージをすることは認められているが、マッサージのみでは、マッサージ師法の適用を受け、違法行為となる。今後も柔道整復療養費の対象となる怪我に対して施術をし、請求するよう、アナウンス、しくは地方厚生局や保険者と連携して取り組んでいきたい。

 

(逢坂部長)

 あくまでも外傷性が明らかなものに対する処置の一部としてのマッサージは適用の範囲だが、マッサージ単独の施術については、違法と捉えているということでよいか。

 この点の周知徹底を、医療課におても他団体に発信していただくことをお願いしたい。

 

(医療課 都竹)

 肩凝り、慰安的なものに対しての請求が上がってくれば、支給しないといった対応は引き続きさせていただきたい。

(逢坂部長)

 不当、あるいは不正な請求があった場合の審査の強化をご回答いただいたが、すぐにできる具体的な対応は設けられているのか。

 

(医療課 都竹)

 受領委任の取扱いの中で行っている。不正請求等が判明した場合は、5年間の受領委任の中止となる。あはきの受領委任の制度と同様に受領委任が中止となれば、制度を所管している担当、医政局に連絡し、医政局の判断にはなるが、柔道整復師の資格の3か月間の停止になるはずである

 

(小川副会長)

 柔道整復の療養費のことで、幾つか見直しがあ、療養費の支給対象から「亜急性の外傷」を削除するとのことだが、他にどのような見直しがあるのか

 

(医療課 都竹)

 平成28年3月の療養費検討専門委員会では、18項目議論させていただき、その1つに亜急性についてがあり、他には先ほどお話をした、施術者に資料の提出や説明を求める審査の重点化・強化、厚生局における個別指導の監査の迅速化、併せて保険者等柔整審査会においても施術にかかったことが分かる資料の提出等、架空請求を防止するためのこと、支給申請書の様式の再統一化等がある。また、大きなものとして施術管理者については、これまでは資格取得後開業の手続をし、厚生局へ施術管理者の手続きを行えば直ちに保険請求ができたがこれを改め、あはきの医療費と同様に実務経験や研修の受講を要件とした。7月7日、8日に、1回目の研修を実施。他には電子請求がある。不正な広告の是正関係も入った、18項目を議論し、まだ5つほど残っている。これらについては、今後も療養費検討専門委員会で議論していただき、見直しを引き続き行っていく。

 

(小川副会長)

 療養費の検討専門委員会は、引き続き行うのか。また、あはきも含めて行うのか。

 

(医療課 都竹)

 あはきも含めて行う。あはきについては、一定のご議論を頂き、受領委任制度導入となるが、それとともに施術管理者の要件の管理、免許の更新制等、まだ残っている件について、引き続き議論させていただく。

 

(小川副会長)

 柔道整復において、発症原因、初診年月日の記載がいい加減だと聞いている。これについては、きちんと療養費の支給についてチェックするのか。

 

(医療課 都竹)

 今の話は、あらかじめ支給申請書に患者からサインを頂き、患者が確認できない形で保険者に請求をするという、白紙署名の関係でしょうか。本来ならば患者が、支給申請書の内容を確認した上でサインするべきものが、あらかじめ患者のサインを頂いて、心ない施術者が、後からの文付け加え、来てない日を来たことにする、行っていない施術を行ったことするという請求も多いため、保険者側からは、患者が確実に確認できる仕組みを作れという意見もある。

 厚生労働省も、あはきが行っているように、支給申請書の写しを交付する、写しを翌月に交付する、しくは、細かい施術日、施術内容を書いた明細書を作る、やり方をご提案しつつ検討していきたい。

 また、3部位以上の怪我の場合は支給申請書に負傷原因を書くことになっているが、1部位から記載すべきだとの話をいただいている。これも引き続き議論をさせていただき、決めていきたい。

 

(小川副会長)

 1部位から書くとは決まらないのか。

 

(医療課 都竹)

 健康保険法等の法律事項では書くこととなっているが、昭和46年に労災や交通事故の場合のみ書くこと、それ以外は書かなくてもいという通知が1出ている。その後、不正請求が出て、平成16年に4部位目以上の場合は、怪我の原因を書くこととなった。その後、平成22年に3部位目以上は書くこととなっ。今は3部位目以上となっているが、そもそも1部位目から記載すべきという話もあり、今後また議論となる。

 

(小川副会長)

 医師が診断する場合も1部位から負傷原因は書くのだから是非、1部位でも書くようにしていただきたい。それによって不正も減る。

 

(医療課 都竹)

 1点補足で、施術録には、患者に問診をしどういった怪我かを確実に書かなければいけない。それを支給申請書に転記する。転記が負担との意見が施術者から出ており、今後調整を考えたい。

 

(小川副会長)

 いろいろ努力していただき、柔整の療養費もだいぶ減額になっているようだが、会計検査院では、50数パーセントが不正請求だと言っているぐらいなので、引き続き国民が正当にあはきの施術を受けられるよう、ご指導いただきたい。

 


(6)視覚障害者の雇用率を上げる対策に加えて、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師への就労支援策を充実するよう要望する。

 

(障害者雇用対策課 寺田)

 現在、ハローワークでは視覚障害者が資格・技能をいかせる職種に就職できるよう、国立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構において作成した、視覚障害者の雇用マニュアルや雇用事例集等を個別求人開拓の際に活用し、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師を含めた職域拡大を図っているところである。

 また、現在、厚生労働省から独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構にお願いをして、視覚障害者の雇用の実情及びモデル事例の把握に関する調査研究を実施していただいており、就職に向けた関係機関の連携体制や、中途視覚障害者の雇用継続支援に関する好事例を収集しているところである。こちらの調査研究は今年度が最終年度となっており、今年度中に好事例集を作成する予定している。こうした研究の成果も活用し、視覚障害者の雇用の促進に引き続き努めていきたいと考えている。

 

(工藤室長)

 陳情項目(6)は特定身体障害者についての回答がいただきたい

 

(障害者雇用対策課 寺田)

 雇用率を上げる対策に加えてとのことだったので、雇用率制度以外で、ハローワークにおける求人開拓、職域拡大についてご回答させていただいた。

 


(7)視覚障害者の雇用拡大のために、国の機関や公的機関、民間企業にヘルスキーパーを雇用させるよう、積極的な取り組みを要望する。

 

(障害者雇用対策課 寺田)

 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構において作成し、雇用マニュアルや雇用事例集等を、ハローワークにおける個別求人開拓の際に活用して、ヘルスキーパーの採用を提案する等、ヘルスキーパーの職域拡大を図っているところである。こうした取り組みを通じて、引き続きヘルスキーパーの雇用の促進に努めていきたいと考えている。

 

(工藤室長)

 公務員の職場でのヘルスキーパーの雇用、職域の拡大の実現には、どのようなことが考えられるか。障害者雇用対策課では、ヘルスキーパーのような形で、公務員または準公務員として働いている事例は把握しているのか。

 

(障害者雇用対策課 寺田)

 公的機関については、高齢・障害・求職者雇用支援機構では把握しているかもしれないが、厚生労働省では把握していない。公的機関に特化して、ヘルスキーパーの事例があれば教えてほしい。

 

(工藤室長)

 神奈川県はヘルスキーパーとして雇用認定をしており、昔でいう養護学校巡回し、職員向けに腰痛の予防等のための施術を行っていると聞いたことある。そのような働き方を、形を変えて行っている所があれば、それをきっかけに、視覚障害者もヘルスキーパーとして公務員に進出していきたいという思いがある。埼玉県では、県庁等に視覚障害者の協会や団体に加盟するマッサージ師が訪問し、職員でも時間外に施術を受けることができるようだ。

 

(障害者雇用対策課 寺田)

 公的機関、特に具体的にヘルスキーパーとしてどのように雇用されているのか、他にも事例があればご指摘いただきたい。我々も、事例について公的機関で探したいと思う。

 


(9)就労形態にかかわらず、全ての視覚障害者が職場介助制度を利用できるよう要望する。

 

(障害者雇用対策課 井門)

 要請の窓口となる大臣官房を通じ、事前にご連絡させていただいているが、障害者雇用対策課では自営業者への支援の施策を持っていない。その前提で回答する。

 民間企業で働く視覚障害者の雇用管理のために必要な介助等については、障害者雇用の納付金制度に基づく助成金として障害者介助等助成金を実施している。障害者雇用納付金制度は雇用率未達成企業から納付金を徴収し、雇用率達成企業に対して調整金、報奨金を支給するとともに各種の助成金を支給することにより、障害者雇用に伴う経済的負担の調整をしつつ、全体として障害者雇用の水準を高めていこうとする制度であることから、自営業者に対する要請を行うことは難しいと考えている。

 

(小川副会長)

 自営業者に対する合理的配慮についてはどこの部署が担当なのか。

 

(障害者雇用対策課 井門)

 生活全般に関することであれば障害保健福祉部が所掌しており、自営業者に対する産業的な支援であれば経済産業省、公務の職場で地方公務員なら総務省、国家公務員であれば人事院が所掌していると思う。障害者の方で自営業者に対する支援と言われた場合、直接私どもの施策で対応するのは難しい。

(工藤室長)

 あん摩・はり・きゅうは視覚障害者にとって本当に重要な職業で、視覚障害者の5割以上があん摩・はり・きゅうで雇用されている。自営業の人たちが生活していくために障害者の職業的な自立を考えていただきたい。働くという点で、視覚障害者あん摩・はり・きゅう師が困っていることは、書類等が見えないことと、往診に行くことが多いが移動手段がないことである。諸々のサポート体制がないと晴眼者との競争に負けてしまうことを認識していただきたい

 また、障害者作業施設設置等助成金の視覚障害者対象の件数等を教えていただきたい。平成28年度は、納付金が312億円、調整金が150億円。報奨金が45億円。納付金による助成金、介助者も含めた助成金が12億円で、全体からすると非常に少ない。もう少し助成金を拡充して視覚障害者が本当に受けやすいような形にしてほしい。視覚障害者にとって拡大読書器、音声パソコンが必要であることは、はっきりしていることだが、職場復帰をして、6か月経過したことを理由に断られたとの相談が日盲連に届いている。働きやすいように認めてもらいたい。

 

(大胡田参与)

 非事務職の利用できる時間が非常に少なく、雇用されているマッサージ師が十分に介助を受けられない問題がある。非事務職でも事務職レベルまで使えるよう対応してほしい。期間制限の10年と5年だが、それまでに目が良くなることはないので、期間制限を伸ばす、または期間制限の撤廃をお願いしたい。

 


(10)新規雇用の促進と在職視覚障害者の雇用継続支援の2つの側面から個々の能力をいかんなく発揮できるよう、就労支援関連の専門的なノウハウや知識と情報を統括的に収集・提案できる組織が必要であるため、視覚障害者の現役世代に対する就労問題検討委員会の設置を要望する。

 

(障害者雇用対策課 鍛冶)

 視覚障害者の雇用実態を把握するために平成29年度から高齢・障害・求職者雇用支援機構において視覚障害者の雇用の実情及びモデル事例の把握に関する調査研究を実施している。就職に向けた関係機関の連携や中途視覚障害者の雇用継続支援に関する好事例を収集しているところで、調査研究の結果を活用し、今後も視覚障害者の雇用の促進に努めたいと考えている。

 


(11)視覚障害者の有期労働者が無期労働契約に転換できるよう、雇用の安定を確保し、正社員転換・待遇改善実現プランの拡充を要望する。

 

(障害者雇用対策課 寺田)

 一般的に各企業では、有期契約で働く方の雇用の安定を図る無期転換ルールの趣旨を踏まえた対応がされる必要があり、厚生労働省では、無期転換ルール特別相談窓口等を通じた相談や周知を図っており、無期転換ルールを意図的に避ける目的で、例えば雇止めを行うような事案を把握した場合には、啓発・指導等を行っている。引き続き企業で円滑に無期転換が図られるよう、指導に取り組んでいく。障害者雇用の場については、ハローワークにおいて有期労働契約から無期労働契約への転換を進める企業に対して障害者雇用安定助成金を支給しており、こうした助成金制度も活用しながら、障害者の方の無期転換を促進していきたい。

 


(12)視覚障害者の三療(あはき業)以外の就労機会拡大のための環境整備と支援の充実・強化を要望する。

 

(障害者雇用対策課 寺田)

 先ほど陳情項目(6)で紹介させていただいた高齢・障害・求職者雇用支援機構において作成した、視覚障害者の雇用マニュアルや雇用事例集等を、個別求人開拓の際に活用し、あはき業以外についても新たな職域拡大を図っている。特に、ヘルスキーパーや、割合は少ない事務的職業についても積極的に求人開拓を図っているところで、こうした取り組みを引き続き進めていきたい。

 


(13)視覚障害者の雇用・就労促進のために、一定の視覚障害者枠を設置することを要望する。

 

 

(障害者雇用対策課 鍛冶)

 視覚障害者枠のように障害種別で採用枠を設けると、特定の障害者のみに応募・採用の機会を提供することとなり、公正採用選考の観点から望ましくないと考えている。また、障害種別に雇用率を測定すると、全体で法定雇用率を設定した場合に比べ、それぞれの率が低い数値となり、雇用義務の対象となる企業が限られ、結果的に障害者の雇用機会を狭めることになると考えている。

 

(14)視覚障害者の就労機会の拡大のため、障害者雇用の際、障害種別による採用枠を設けて、三療(あはき業)以外の一般就労の機会の少ない障害者に対するきめ細かな就業支援対策を整えることを要望する。

 

(障害者雇用対策課 鍛冶)

 障害種別による採用枠を設けることは、特定の障害者のみに応募・採用の機会を提供することとなり、公正採用選考の観点から望ましくないと考えている。視覚障害者の一般企業における雇用を拡大することは重要と考えており、引き続き採用枠において視覚障害者がその資格・技能をいかせる職種に就職できるよう就労支援対策を図っていきたい。 

 


(16)視覚障害者の就労を促進するために、障害種別ごとの就労実態調査を行い、障害特性に応じた合理的配慮を提供するとともに、ヒューマンアシスタントやジョブコーチの拡充充実を要望する。

 

(障害者雇用対策課 鍛冶)

 視覚障害者の雇用実態を把握するため、平成29年度より高齢・障害・求職者雇用支援機構で調査研究を実施している。障害特性に応じた合理的配慮についても、合理的配慮事例集に障害種別での事例を盛り込んでいくところである。ヒューマンアシスタントについては、障害者雇用納付金を財源とした障害者介助等助成金により、視覚に障害がある方が業務遂行に必要な文書の朗読及び録音テープの作成、文書の作成及びその補助業務、業務上の外出の付添い等について、介助等を委嘱するサービスの一部を助成しているものである。当該助成金を積極的に活用いただけるよう、支給業務を行っている独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構において、引き続き事業主に対する説明会や、相談・援助等を併せて周知を実施、機構のホームページやハローワークにおいても、必要に応じて周知を図っていくとともに、障害特性等の個別ニーズに応じた柔軟な支援を実施していく。

 ジョブコーチの養成については様々なニーズに対応できるよう、障害特性に対応した支援技術について、視覚障害者への支援を含め全般的な研修を行っている。養成数も着実に増加しており、今年度からは情報ニーズが増大していることを踏まえ、高齢・障害・求職者雇用支援機構におけるジョブコーチ養成数を倍増させる等、研修体制を整備している。ジョブコーチによる支援については、障害のある方の個別の状況に応じた職場定着に、効果的な支援策である点を意識している。引き続きジョブコーチ養成体制の積極的な整備に努めていきたい。

 

(障害者雇用対策課 谷本)

 今年度は高齢・障害・求職者雇用支援機構においての受講の養成数を300人程度から600人程度に倍増させて、研修体制を整えている。

 

(工藤室長)

 ジョブコーチを増やすことは歓迎だが、量だけではなく質も問われると思う。視覚障害に対応した支援についての研修に今年は何人ほど受講者がいるのか。

 

(障害者雇用対策課 谷本)

 障害別に特化した研修は行っていない

 

(逢坂部長)

 基本的に、障害別でニーズが違い、そのニーズによって行う支援も分かれ、それぞれの障害の特性を踏まえた上で、必要な支援、アドバイスも分かれてくると思う。障害の種類によって、必要な支援あるいは職場における課題の解決のための知識、提案力のようなものがないと、実際に機能しないのではないか。

 

(障害者雇用対策課 谷本)

 障害別ではないが、どの障害にも対応できるようにしている。その障害の特性や職業的課題について研修し、結果的にどの障害に対しても対応できるよう養成している。

 

(工藤室長)

 実際には、視覚障害者に対応できるジョブコーチは全国に1、2人しかいない。平成25年度に、地域就労支援の在り方に関する研究会を実施しており、視覚障害、聴覚障害については、専門にできるジョブコーチがいないため、その養成、配置が必要と結論付けているが、検討もされていないように思う。

 視覚障害者に特化した支援できるジョブコーチの研修を増やしていくことを是非検討してほしい。視覚障害者に対応できるジョブコーチを配置型職業センターに増やしていく目標を立てて行っていただきたい。

 

(小川副会長)

 高齢・障害・求職者雇用支援機構で行っている障害種別の就労実態調査は、いつ頃結果の発表があるのか。

 

(障害者雇用対策課 寺田)

 今年度が最終年度で、今年度は企業に対してアンケート調査を行っている。取りまとめは恐らく年度末かと思う。

 いずれにしても、好事例集の作成を目標にしており、来年度にはその成果を報告できると思う。

 

(工藤室長)

 5年に一度行っている障害者雇用実態調査を行うのは今年か。今年の調査では障害の種別ごとに統計がでるのか。

 

(障害者雇用対策課 寺田)

 はい。今年行っています種別ごとの統計については、調査のみを委託しているので分らない。

 

(工藤室長)

 少なくとも視覚障害の状況、障害の種別ごとの統計が出ないと、対策が立てられない。一般的な政策が発達し、先ほどのように支援の助成金があると言っても、企画が立てられないといった事が起こる。

 61調査で、精神障害者は短時間勤務でもダブルカウントになるため調査票の項目を増やすはずである。これまでは、事務作業の負担等のため項目を増やすことはできないと言っていた調査票が変わる。これを機会に、障害者の種別ごとの調査を改めて要望していきたい。

(以上ここまで) 

平成30年度日盲連陳情活動(国土交通省・警察庁関係)

03 国土交通省

 

1.日時

 平成30年7月11日(金) 10時30分~11時30分

 

2.場所

 国土交通省会議室

 

3.出席者

(1)日本盲人会連

                  常務理事  橋井 正喜

                    理事  小山  尊

                    理事  近藤 久江

                  組織部長  佐々木宗雅

                   事務局  遠藤  剛

(2)国土交通省

 鉄道局

  都市鉄道政策課          専門官  渡邊

    同                   有馬

  鉄道技術企画課               高橋

    同                   平塚

 総合政策局

  安心生活政策課          専門官  佐藤

 道路局

  企画課                   糸井

    同              参事官  山田

  高速道路課             係長  小林

 自動車局

  旅客課             課長補佐  古賀

 住宅局

  建築指導課                 田端

 

4.陳情事項、回答、意見交換

Ⅰ 駅の安全対策

(1)鉄道駅の安全対策についてホームドアの整備、内方線付き点状ブロックの敷設、歩きスマホの禁止などマナーの啓蒙、声かけ運動の継続、エスカレーターへの誘導ブロックの敷設、車両の押しボタンの位置がわかるようチャイムをつけるなど、鉄道を安全に利用できるよう設備の充実を要望する。

 


(鉄道局 有馬)

 国土交通省では、平成28年に駅ホームにおける安全性向上のための検討会を開催し、去年12月に中間報告を取りまとめた。

 ホームドアについては、1日当たりの利用者数が10万人以上の駅で、車両の扉の位置が一定であることにより、ホームドアの整備が可能な駅は、原則として平成32年度までに整備を行うとともに、利用者数が10万人未満の駅については、駅の状況等を勘案した上で整備することとした。

 また、車両の扉の位置やホームドアの設置のコスト面の課題に対応するため新たなタイプのホームドアの促進をしている。

 これに加えて、ホームドアの整備が困難な場合、内方線付き点状ブロックの整備を進めることとしており、利用者数が1万人以上の駅については、今年度中に設けること、利用者数3千人以上の駅については視覚障害がある人の転落事故や利用状況等を勘案した上で、速やかに整備を行うこととしている。

 さらに、駅員らによる視覚障害者への声掛けや見守りの実施等の対応の強化を図っている。

 国土交通省としては、こうした取り組みを通じてハード、ソフト両面における総合的な転落防止を目指した安全対策を着実に進めていきたい。

 


(2)鉄道駅の安全対策について、ホーム安全柵設置基準に満たない駅は、内方線付き点状ブロックの設置、誘導音響装置を設置するとともに、駅員の再配置、安全柵以外の対策を確立するよう要望する。

 


(3)視覚障害者のホーム転落事故をなくすため、無人駅や時間帯によっては駅員の不在となる駅には、ホーム上に内方線付き点状ブロックの必置と安全対策を要望する。

 

(鉄道局 高橋)

 平成28年度末の中間報告に基いて1日当たりの利用者数、1万人以上の駅については、平成30年度までに整備することとしている。

 また、3千人以上の駅については、視覚障害のある人の転落事故の発生状況や視覚障害がある人の利用状況等を把握した上で、可能な限り速やかに整備することとしている。

 さらに、去年3月にバリアフリー法に基づく移動等円滑化基準を改正しており、駅の新設や大規模改修にあたっては、ホームドア又は内方線付き点状ブロック等を設けるように新たに義務付けをした。

 また、誘導音響装置は、移動円滑化基準において、公共用通路と車両等の乗降口との間の経路を構成する通路等には、視覚障害者誘導用ブロックを敷設し、または音声その他の方法により視覚障害者を誘導する設備を設けなければならないこととしている。

 エレベーターのかご内については、かごの到着する階並びにかご及び昇降路の出入口の戸の閉鎖を音声で知らせる設備を設けること、エスカレーターの行き先及び上下方向を知らせる音声案内装置を設置することを定めた。

 そして、乗降に際して、駅員等の介助が必要な利用者が駅員のいない時間帯や無人駅を利用する際には、事前に連絡を受けた上、必要な駅員等を確保して対応に当たらせるほか、急遽、連絡していただいた場合においても、できる限り対応を行うよう鉄道事業者に対して指導を行っている。

 


(4)ホームドアの設置の促進にあたり国の補助金の増額を要望する。

 

(鉄道局 有馬)

 ホームドアについては、バリアフリーの一環として鉄道業者に対して整備費用を補助する制度を行い、整備の促進を図っている。国土交通省としても、バリアフリーの推進が重要であると捉えており、国、地方公共団体、鉄道事業者が一体となって取り組んでいく。

 国は、整備費用の3分の1を補助として支援している。国土交通省としては、地方公共団体と連携しながら、鉄道事業者の積極的な取り組みを目指していく。

 

 

(橋井常務)

 2年前の青山一丁目で起きた転落死亡事故以来、鉄道事業者においてホームドアの設置に尽力していただいている。ホームドアは、視覚障害者のみでなく、高齢者や子供にとっても安心だと思う。また、鉄道事業者においても、転落を未然に防げることのメリットがあり、より多くの駅に取り付けていただきたいと思っている。

 ホームドアの設置費用の3分の1の負担を国が補助しているとのことだが、設置のどこまでの範囲になるのか。

 

(鉄道局 有馬)

 ホームドアの本体及びホームの補強工事を対象として3分の1を補助している。

 

(橋井常務)

 鉄道事業者と話をする時に、ホームドア設置費用の3分の1の補助をもらえていないという話も聞く。

 

(鉄道局 有馬)

 制度としては3分の1の補助である。しかし、予算が限られており、鉄道事業者が前倒をしてホームドアの整備を進めている中で、限られた予算を配分した結果、残念ながら配分額が3分の1に至っていないという状況が起きてしまっている。

 国土交通省としては、引き続き予算の確保に努めていきたいと思っている。

 

(佐々木部長)

 ホームドアについてお伺いしたい。まず、10万人以上の駅では32年度中に完了ということだが、現在の進捗率設置駅数を教えていただきたい。

 また、32年度中に10万人以上の駅で設置された後、それ以下の駅にも拡大していくのか。この点については、もう少し詳細な目標があるのか。

 

(鉄道局 渡邊)

 1点目の、10万人以上の利用者数がある駅は269駅あり、平成28年度末時点において85駅でホームドアが設置されている。現在、各鉄道業者の整備計画上、平成32年度末時点で150駅までは設置する計画になっている。

 なお、整備目標としては、日本全国のホームドアの設置数を平成32年度までに800駅にするという目標を掲げている。平成28年度末時点では686駅だが、各社の計画では、平成32年度末時点で880駅くらいまでできるであろうと集計している。平成32年度以降の計画は995駅まで立っているということだが、その中の整備目標については、まだどこまで整備するという議論の調整が付いておらず、今後も各社と調整の中で決定していく。

 

(小山理事)

 関東では、ホームドアの整備数が増えてきた。地方ではホームドア、内方線付き点状ブロック等は設置数が増えていない。地方でも整備していただきたい。

 さらに、駅員や一般の利用客が視覚障害者を見かけたら、手助けをしていただくことも大事だと思う。

 また、視覚障害者はホームで自分の位置や方角が分らなくなってしまうことが多いので音声案内を設置していただきたい。

 一方で、当事者自身も歩行訓練を受ける等、歩行のスキルを向上することも必要だと思う。

 

 

Ⅱ 鉄道関係

(5)障害者割引に対応した交通系ICカードの開発を要望する。

 

(鉄道局 平塚)

 障害者に対する運賃割引については、各事業者の自主的な判断に基づき実施されている。ICカード導入済みの鉄道事業者91社において78社が有人改札口等で障害者手帳の確認を行うことによりICカードの割引を実施している。

 残る13社はICカードの割引を実施していないが、窓口にて手帳の確認を行うという方法で割引を実施している。

 一方、無人駅等において介助者の同伴か障害者本人どのように確認するのかという課題があるとも聞いている。

 いずれにしても、国土交通省としては、ICカードでの障害者割引の適用が拡大されるよう、鉄道事業者に対して、ご要望の趣旨についてお伝えするとともに理解と協力を求めていく。

 

(6)駅の運賃表を見えやすい所まで下げるよう要望する。

 


(7)視覚障害者の8割以上を占める弱視者(ロービジョン)のニーズに基づき、駅や地下道などの照度や輝度を改善し、あるいは、見やすい表示や拡大文字による情報が提供されるよう要望する。

 

(鉄道局 高橋)

 駅の運賃表については、バリアフリーの整備ガイドラインの旅客施設編において、駅利用者が券売機の前に並ぶ利用者に遮られないように配慮しつつ、車いす使用者等であっても利用しやすい高さに券売機を設置することが定めらえている。

 そのため、券売機の配置状況や利用者の状況を勘案し、事業者において個別において検討するものであると考えている。引き続き、ガイドラインの内容を踏まえた駅の運賃表の設置については、必要に応じて事業者と検討していく。

 駅の明るさについては、バリアフリー整備ガイドラインの旅客施設編に記載している。高齢者や障害者の移動等の円滑化に十分配慮し、十分な明るさを確保するとともに、羞明や夜盲症等、様々な見え方があることを考慮する。

 また、照明については、極端な暗がりやまぶしさが生じないように配慮するとしている。なお、鉄道事業者においては、JISZ9110に指定された照度とすることにしている。

 さらに、バリアフリー整備ガイドラインにおいては、文字の大きさは視力の低下した高齢者等に配慮して、視距離に応じた大きさを選択する、掲示位置については可能な限り接近できる位置や高さに配慮する、色覚障害のある利用者に配慮した見分けやすい色の組合せを工夫することとしている。

 国土交通省として、引き続き、ガイドラインを踏まえた情報提供等について、必要に応じて鉄道事業者を指導していきたいと考えている。

 

 

Ⅲ 車両関係

(8)視覚障害者が乗る車が有料道路を利用する場合、その乗車する車について、事前登録がなくても身体障害者手帳の提示で半額割引とするように要望する。

 

(道路局 小林)

 有料道路における障害者割引については、通勤・通学等の日常生活において自家用車を利用している障害者の方の社会的自立を支援するために、全国の高速道路会社等が申し合わせの上で自らの負担で行っている。

 高速道路事業者において目的に沿った割引を実施するため、自立した日常生活を営む上で必要と考えられる障害者については、障害者本人又はその親族が所有する自家用車であることを事前に福祉事務所にご登録いただき、通行料金を割引している。

 そのため、事前登録がなくても身体障害者手帳の提示で料金を割り引くことは、利用目的を判断することができないため、困難である。

 引き続き高速道路会社に対し利用実態と課題を検討していきたいと考えている。

 

(近藤理事)

 高速道路料金の割引について地元の自治体が所有する福祉車両で高速道路を使用したが、料金が割引にならなかった。そのため、行政が所有している福祉車両は、届出を受け入れる体制を整えていただきたい。また、視覚障害者は、自分で車を運転するということはあまり考えられないことから、有料高速道路も半額の恩恵を受けるということが非常に少ない。この点も踏まえて行政の福祉車両だけでも割引の対象にしていただきたい。

 

(佐々木部長)

 現在、高速道路を利用するときに、名義人は視覚障害者、あるいは視覚障害者が利用するということが要件だが、視覚障害者が乗っているにもかかわらず、高速道路が半額にならない。どのような規定になっているのか。

 

 

(道路局 小林)

 高速道路の割引の目的としては、通勤、通学の日常的生活を想定しており、そのために必要となる車両を設定している。例えば、自家用車や事業用の車、その他は中型車という要件を定めている。

 

(佐々木部長)

 そうすると、行楽等で高速道路を使うということは使用目的外なのか。また、どの法律で定められているのか。

 

(道路局 小林)

 正直なところその回答は難しく、私からは日常生活において社会的自立を支援するためにご利用してくださいという回答になる。利用目的を料金所で確認することは難しいため、事前の登録が必要となる。法律ではなく、高速道路会社の規定で定められている。

 

(佐々木部長)

 国からも高速道路会社へ私達の要望を伝えていただけますようよろしくお願いします。

 

Ⅳ 視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)

(9)視覚障害者誘導用ブロックの啓発活動を進めるとともに、敷設にあたっては各法律のガイドラインを遵守し、特に弱視者の視認性への配慮を強く要望する。

 


(10)視覚障害者誘導用ブロックの色基準の明確化と、弱視者に見えにくい既設点字ブロックの改修を要望する。

        

(11)視覚障害者誘導用ブロックを黄色に統一することを要望する。

 


(12)視覚障害者誘導用ブロックの色を黄色とすることを国の基準等に復活させるよう要望する。

 

(道路局 糸井)

 道路における視覚障害者誘導用ブロックに関しては、道路の移動等円滑化基準に基づいて、「視覚障害者誘導用ブロック設置指針」を参考に道路管理者が対応している。

 国の省令である道路の移動等円滑化基準では、「視覚障害者誘導用ブロックの色は、黄色その他の周辺の路面との輝度比が大きいこと等により当該ブロック部分を容易に認識できる色とするものとする」と規定しており、弱視者への視認性に配慮した記述となっている。

 引き続き、国としては、自治体の研修の場等で視覚障害者誘導ブロックが適切に設置されるよう説明していきたい。

 

(総合政策局 佐藤)

 安心生活課よりバリアフリー全体の視点回答する。

 視覚障害者誘導用ブロックは、視覚障害者の方々が円滑に進むための重要な設備であると認識している。そのため、公共交通機関の旅客施設等による視覚障害者誘導用ブロックの敷設については、交通バリアフリー基準によって、通路等に視覚障害者誘導用ブロックを設置することを普通基準として規定するとともに、バリアフリー整備ガイドラインにおいて、その敷設方法等について記載している。なお、視覚障害者誘導用ブロックの色については、従前よりバリアフリー整備ガイドラインにおいて、黄色を原則とするということで記載している。

 また、弱視者にも配慮する必要があり、周辺の床材との対比を考慮して色の明度、色相を十分に確保することを記載している。

 国土交通省としては、公共交通事業者及び公共交通機関等の利用者等に対して、引き続き、視覚障害者誘導用ブロックに関する理解・啓発を進めていく。

 

(住宅局 田端)

 建築物のバリアフリーに関する観点から回答する。

 国土交通省では、建築物のバリアフリー化の促進を踏まえて、建築物のバリアフリー設計のガイドラインである高齢者障害者等の円滑な状況に配慮した建築設計標準を昨年の3月に改定して公布したところである。

 その設計標準において、視覚障害者誘導用ブロックの敷設に当たっては、周囲の床と明度及び色相が大きいことにより、容易に識別できるよう弱視者に配慮した設計を考慮することを定めている。具体的には、視覚障害者誘導用ブロックの色を識別できるように、ブロック等とその周囲の色の輝度少なくとも2.0以上が望ましいことを定めている。

 また、視覚障害者誘導用ブロックの歩行機能が低下しないよう、継続的に適切な維持管理と指導を行っていくことを定めた。

 さらに、場所により視覚障害者誘導用ブロック等の色が異なることにより、利用者の混乱をなくすため、なるべく色を統一することを掲載している。色の基準に関しては、平成6年に改定した設計標準により、原則として今は黄色にすることを規定しており、現在も記載している。

 ガイドラインについては、改定した設計標準の内容をホームページ上で紹介するとともに、昨年5月に地方公共団体の職員向けに、また、昨年6~8月にかけて全国7か所において、設計者や事業者向けに内容の周知や説明会を行い周知徹底している。

 引き続き、国土交通省としては、設計標準の内容について周知等を図っていきたい。

 

(橋井常務)

 日盲連の総合相談室に、視覚障害者誘導用ブロックをどのように敷設すればいいのかという事業者からの相談が多い。国から事業者に対してどのように周知しているのか。

 

(道路局 糸井)

 先ほども申し上げたが、敷設する視覚障害者誘導用ブロックの基準を定めてはいるが、具体的に敷設する方法については詳細に記載はしていない。

 

 

Ⅴ その他

(13)視覚障害者の安心・安全な歩行を確保するため、国は地方公共団体及び民間事業者に対して、自転車活用推進法の周知徹底を図るよう要望する。

 

(道路局 山田)

 自転車活用推進法に基づき、先月、6月8日に自転車の活用を推進するための目標や、それを達成するための施策措置等が盛り込まれた自転車活用推進計画が閣議決定された。

 自転車事故のない安全で安心な社会の実現等、自転車活用推進計画に位置付けられた法案を達成するため、地方公共団体において地方版の自転車活用推進計画の策定を促し、歩行者、自転車及び自動車が適切に分離された自転車通行空間の計画的な整備を進め、自転車に関する交通ルールの周知や安全教育を推進していく。


04 警察庁

 

1.日時

 平成30年7月11日(水)9時30分~10時15分

 

2.場所

 合同庁舎2号館18階会議室

 

3.出席者

(1)日本盲人会連合

                   副会長  小川 幹雄

                  相談室長  工藤 正一

                  事業部長  逢坂  忠

                    参与  大胡田 誠

                   事務局  小柴あやこ

                   事務局  清水 智子

(2)警察庁

 交通局

  交通規制課            専門官  伊藤 麻紀

                  課長補佐  中山 友之

                        市川 富朗

 生活安全局

            生活経済対策管理官付  青山

  官房総務課 広報室             菅原

 

4.陳情項目、回答、意見交換

(1)押しボタン式信号機を視覚障害者にも使いやすくするために、押しボタンの位置、横断可能になったことを知らせるための音響案内を義務付けることを要望する。

 

(交通規制課 伊藤)

 押しボタンの位置を知らせるために表示音を出すものについては、高齢者や障害者が日常生活や社会生活において利用する施設を結ぶ経路に重点的に設置するようにしている。また、横断可能になったことを知らせる設備についても、順次設置し、都道府県にも、統一された規格のものを整備するよう指導している。音が出る設備については、近隣住民の理解も必要なため、生活環境への影響も考えながら進めていくことをご理解頂きたい。

 

(2)視覚障害者にとって危険な歩車分離式信号機は、音響信号機を標準仕様とすることを国の設備制度基準として定めていただくとともに、既存の音響未設置信号機に音響設備を付加するとともにエスコートゾーンの施設を要望する。

 

(交通規制課 伊藤)

 スクランブル方式等の歩車分離式の信号や歩行者だけが通れる信号機に関して、できるだけ優先的に音響式の装置を付けるよう、都道府県に逐次指導している。

 また、エスコートゾーンと音響式信号機については、市町村が定めている重点設備地区、例えば駅や役所、病院を結ぶ主要な生活道路を中心に整備することにしており、視覚障害者の利用頻度が高い施設周辺についても、需要が見込まれる場所から優先的に整備を進めている。エスコートゾーンは、始めた当初、平成20年3月頃は6か所ほどであったが、平成29年度末には約2,200か所の整備が完了した平成28年が約2,000か所だったので、1年で1割ほど増えており、逐次進めている。

 

(3)歩行者用の信号機は、低い位置に設置されるよう要望する。

 

(交通規制課 伊藤)

 歩行者用の信号機は、歩道上に設置をしなければならないため、道路構造令に規定されている建築限界である2.5メートルを遵守する必要がある。また、駐車場に出入りする自動車等が歩行者用標識に接触し、向きが変わってしまう等の恐れもある。これらを考慮しつつ、できるだけ利用者に見やすくということで現在の位置に付けている。分かりやすいようにという指導はしているが、その点もご理解いただきたい。

 


(4)歩車分離式信号機やラウンドアバウト(環状交差点)、歩行者先行信号交差点を視覚障害者も安全に渡れるよう、音響信号機を付ける等の対策を講じるよう要望する。

 

(交通規制課 伊藤)

 歩車分離式信号機のうち、スクランブル方式、歩行者専用現示方式の信号機に対して、音響式信号機を優先的に設置するよう常々、都道府県に指導している。

 特に重点地区における駅や役所病院等を結ぶ経路を中心に整備すると先ほど説明させていただいたとおり、こちらも需要が見込まれる箇所から整備を進めることとしている。ただしラウンドアバウト、環状交差点については、信号機の設置がないため、音声案内を流す装置の設置が困難で、道路管理者や関係機関と連携の上で、できるだけ生活関連経路を中心に、エスコートゾーンの設置で対応させていただきたい。

 

(5)視覚障害者にとって危険な歩車分離式信号機は、音響信号機を標準仕様とすることを国の設備仕様基準として定めていただくとともに、既存の音響未設置信号機に音響設備を付加する予算措置を講じるとともにエスコートゾーンの敷設を要望する。

 

(交通規制課 伊藤)

 警察庁としても視覚障害者が安全かつ円滑に移動できる環境の整備が必要と考えている。今後とも必要な予算の確保に努め、都道府県に対しても音響装置の設置、エスコートゾーンの整備について継続して指導していく。

 

(小川副会長)

 1点目に、音響式信号機も増えてはいるが、島根県では予算がなく、年に2、3機しか付けられないとのことで、要望する所に設置されていない。多少、予算的なことを警察庁から指導してもらえないか。

 2点目に、エスコートゾーンは2,200か所あるとのことだが、都道府県によって非常に差がある。エスコートゾーンを特に設置すべき所等、規則や指示があれば、もっと設置が進むのではないか。都道府県の判断に任せるのは問題があるのではないか。

 3点目は、歩行者用の信号機は歩行者が見やすい位置とのこともあったが、LED式信号補助機が大阪を中心にした一部しか普及していない。島根県の点字図書館周辺改修で警察本部にお願いをしたが、警察庁から指示がないとできないとのことだった。LED式信号補助機は、内閣府のバリアフリーに関する点で高く評価され表彰もされている。もう少し普及を広げていただきたい。

(交通規制課 伊藤)

 1点目の予算措置については、信号機すべてに音響式の付加装置が付けば一番だと思うが、そうなると需要のないところにもコストが掛かることとなるため、ある程度優先順位を付けて対応している。国としては、社会資本整備重点計画という政府方針があり、バリアフリー化は重点項目として取り上げている。警察庁の立場から言うと、補助金を交付することになるのだが、バリアフリー化については手厚く配分をしている。

 

(交通規制課 中山)

 補助金以上の費用は県で負担することになるが、財政の事情は県によってかなり違いがあり、エスコートゾーンでも差があるとのことだが、警察庁の指針としては、バリアフリー法上の主要な生活関連経路に指定されているものは、少なくとも100%に近い状態まで設置するよう指導している。

 主要な生活関連経路ではない所においても、具体的な要望箇所については優先順位を上げて整備をしていくよう指導している。具体的な箇所を要望してもらえると、県で優先順位を上げて検討に至ると思う。

 

(逢坂部長)

 その具体的な要望は、どこに出せばよいのか。

 

(交通規制課 中山)

 交通安全施設整備事業は、基本的に都道府県公安委員会が各県の単位で行うことになっている。ここには設置権限はなく、あくまで全国の調整をする立場のため、県警または所轄の警察署に要望を出してもらうのが一番スムーズである。

 

(小川副会長)

 重点地区とは、どこの市町村でも定めているものなのか。

 

(交通規制課 中山)

 重点整備地区は、全国の市区町村で、今、2割ぐらいだったと記憶している。

 5月に成立したバリアフリー法の改正法案において、市区町村が策定する重点整備地区を増やしていこうと法律が改正された。重点整備地区が指定される市区町村が増えれば、主要な生活関連経路として法的に位置付けられる箇所が多くなるので、音響式の信号機の設置、エスコートゾーンの敷設等、対象箇所が増えていくところは、経過を見ていく。

 

(小川副会長)

 歩車分離式信号機には大変困っている。重点地区はあるかもしれないが、特に目が見えない親が、子どもが通っている小学校へ行く際に非常に困っている。そういうことを申し入れれば優先的に設置してもらえるものなのか。

 

(交通規制課 中山)

 音響式信号機は公道に設置されるもののため、音のボリューム等、住民との調整を行うことになると思う。必ずしも要望通りに具備されるわけではなく、全体の状況や、近隣住民、視覚障害者の安全等、調整をさせていただくことになる。

 

(小川副会長)

 歩車分離式の信号機には、音響装置を付けるようにという指示は出ているのか。

 

(交通規制課 中山)

 出している。警察庁が全国への指示というかたちで、優先的に設置をするようにとの通達を発信している。

 

(小川副会長)

 高齢者・視覚障がい者用LED付音響装置の設置状況はどうか。

 

(交通規制課 中山)

 高齢者・視覚障がい者用LED付音響装置については、大阪で実際に見ているが、一番の問題は、費用がかなり高いこと。音響式信号機についても、要望を100%叶えてはいない状態の中で、高齢者・視覚障がい者用LED付音響装置を1機付けるとなると、新設の何もない交差点に信号機を制御するためのいろいろな灯器を1か所設置できるぐらいの金額が必要となる。視覚障害者付加装置だけに限ると、4か所ぐらいできるので、それが最も基本的な機能だと考える。歩行するタイミングがピヨピヨ、カッコーという音で分かり、そこから付加的な価値として信号の灯色情報が目で見て分かるものがあるが、それを1機付けるよりは、視覚障害者付加装置でカバーできるエリアを増やすことが先決だと考える。

 ただし、県単位ではニーズを汲み上げて設備整備を行っているので、県に具体的に要望いただければ、必要性と金額的なものとを考え、実際の整備に至ることもあると思うが、警察庁としてはこれをどんどん普及していこうという段階にはまだ至っていない。

 

(小川副会長)

 予算の面はあると思うが、警察庁の指示がなければ高齢者・視覚障がい者用LED付音響装置を付けてはいけないということはないとの認識でよいか。

 

(交通規制課 中山)

 警察庁は補助金を配っているだけで、県が整備をしたいというものをしてはいけないという権限はそもそもない。

 

(小川副会長)

 音響式信号機を設置するための補助金は年々増えているのか。

 

(交通規制課 中山)

 バリアフリー化のための補助金に関する資料は手持ちにないが、平成29年度から30年度までで、交通安全施設整備事業の予算は増額しており、補助金ベースでいうと6億円分ぐらいの増額となっている。

 

(小川副会長)

 歩車分離式信号機に音響を付けることを必置基準とすることは難しいのか。歩車分離式信号機を付けるときに併せて、音響案内が出るものにすることはできないのか。

 

(交通規制課 伊藤)

 義務付けると、住民との折衝や必要がない歩車分離式の信号機にも付けることとなるため、環境や要望を総合的に勘案して付けてくださいという形にとどめている。

(小川副会長)

 では、必要な所はどんどん要望すれば、なるべく優先的に付けていただけるということでよいか。

 

(交通規制課 中山)

 はい。

 

(工藤室長)

 ラウンドアバウト交差点は、今後、増えていく方向なのか。一番多いのは宮城県だと思うが、増やしていく方向で指導しているのか。

 

(交通規制課 伊藤)

 できるだけ道路の形状や利用の形態を、利用者の生活の状況等を見ながら進めていくようにと指導しており、実際に増えてきている。

 

(工藤室長)

 視覚障害者にとってラウンドアバウト交差点を横断することは困難です。ラウンドアバウト交差点での事故件数や統計等は警察庁では取っているのか。

 

(交通規制課 伊藤)

 事故が起きた状況を分析するための統計は取っている。もしこういうところから施策の面に反映できる数字が出てくれば、設置基準等にも反映されてくると思っている。ただ、今現在、手元にラウンドアバウトでの事故が増えているのか減っているのかという数字は出ていない。今日回答させていただくのは難しい。

 


(6)三療(あはき業)における無免許・無資格医業類似行為者の取り締まりの強化を要望する。

 

(生活安全局 青山)

 平成29年中の無資格者による検挙は0件。本年は、6月末現在で2件検挙している。警察ではあん摩マッサージ指圧、はり、きゅうに関する法律違反に関しては、関係行政機関と連携し、適正に対処をしており、今後も悪質なものは取り締まっていく。

(7)無資格者が「マッサージ」と広告することへの徹底した指導と取締りの強化を要望する。

 

(生活安全局 青山)

 厚生労働省医政局医事課が事務局となって、今年の5月10日に広告に関する検討会が開催されたと聞いている。その中で無資格者による広告についても、今後ガイドラインを作っていくと聞いており、その方向性を見ながら、関係行政機関と連携、また、悪質なものがあれば、対処していく。

 

(小川副会長)

 平成24年に国民生活センターが無免許業者の指技、手を用いた療法で被害事例が大変多いことを発表し、厚生労働省から都道府県や保健所に対して、警察とも連携して取締り、指導をするようにと通達を出しているはず。検挙は別として、指導をするケースは増えているのか。

 

(生活安全局 青山)

 法律違反に該当するような事例があれば、その都度、指導はするが、行政指導という形では、その所管はしていないので、指導はしていない。

 

(小川副会長)

 特に行政機関から警察に対して相談等が増えているということはないか。

 

(生活安全局 青山)

 相談件数を警察庁では把握していないため、分からない。

 

(小川副会長)

 検挙された2件の違反内容を教えていただきたい。

 

(生活安全局 青山)

 1件が接骨院において無資格者がはり・きゅうの施術をした。もう1件は施術所において、資格を剥奪された元有資格者が、はりの施術を行った。

 

(小川副会長)

 あん摩・はり・きゅうの広告のことは、今、厚生労働省で検討されているが、警察庁としては厚生労働省へ委ねるということになるのか。

 

(生活安全局 青山)

 そうです。

 

(小川副会長)

 無資格者の広告が乱立しており、国民があん摩・はり・きゅうの正当な医療を受けることが妨げられ、安全生活という面で支障が出ると考えている。

 

(生活安全局 青山)

 明らかに違法だということが分かれば、警察が対応することもあると思う。

 

(小川副会長)

 今の広告についての取締りはないのか。

 

(生活安全局 青山)

 広告そのものについてはない。

 

(小川副会長)

 不当景品類及び不当表示防止法での検挙と言うのはあり得ないのか。

 

(生活安全局 青山)

 景品表記の話、景品表示法に基づいた話ですね。措置命令に違反した場合、処遇はある。

 

(小川副会長)

 検挙の実態はないのか。

 

(生活安全局 青山)

 それはない。

 

(逢坂部長)

 先ほどの2件の事例と、このケースは何か訴えがあったのか。

 

(生活安全局 青山)

 内容の細かい報告はそもそも警察庁にはないので分からない。

 

(逢坂部長)

 不正な広告については、正に無資格者の行為になるが、こういう事例が2件だけというのは、にわかに信じ難い。

 

(生活安全局 青山)

 警察で検挙し報告が上がってきたのがこの2件で、他にも行政指導等で改善されているケースがたくさんあるのだろうと思う。

 

(小川副会長)

 検挙された人は結果的にはどんな処置になったのか。

 

(生活安全局 青山)

 処分結果については警察庁では把握をしていない。

 

(小川副会長)

 検挙された人は裁判所等に行くのか。

 

(生活安全局 青山)

 事件については検察庁に送致されて検察庁が起訴するかしないかを判断することになる。

 

(大胡田参与)

 平成29年度の検挙者は0だったが、毎年、数件は検挙されている。

 

(生活安全局 青山)

 平成28年に立件が1件、27年に2件、26年が3件です。

 

(大胡田参与)

 逆に言うと毎年起こっていることで、これは違法だからやってはいけないと警察から指導していただかないと、だらだらと同じ状況が続いてしまうという恐れがある。今すぐ答えを出すのは難しいと思うが、根本的に違法なのだということを、分かりやすい形で、警察主導でPR活動等をやっていただければと思う。

 

(生活安全局 青山)

 あはき法の行政所管は厚生労働省にあり、第一義的にいえば厚生労働省から広報、指導を徹底し、その上で悪質なものは、警察庁が対応するというのが基本ベースにある。

 

(大胡田参与)

 そのとおりだと思うが、例えばこういう事例が検挙されたと大々的に出すだけで、抑止効果はあると思う。

 

(生活安全局 青山)

 例えば事件広報等ですね。

 

(大胡田参与)

 何か広報等を使って、是非PRをしていただきたい。

 

(工藤室長)

 結局、指導は厚生労働省とのことだが、明らかに無免許で、施術をしている人がいるという話を他のマッサージ師の方から聞くことがある。無資格でという事実はあるが、現場を押さえ確認できないと、事件にはならないのか。その場合、指導や事実を確認するのは、保健所等か。

 

(生活安全局 青山)

 ケースバイケースだが、例えばその行政所管庁がそういった情報を聞きつけ、立入りをする、報告、聴取を求める、検査をするという形で違法性があれば、行政指導をして行政事業レビューを掛けて改善させるというのはある。また、既に健康被害が出ているような、悪質なケースについては、警察は実態を内偵捜査し、無資格営業自体が確認できたら、その結果、指導するということは可能である。

 

(工藤室長)

 無資格営業の確認ができた結果の指導は警察で行うのか。

(生活安全局 青山)

 事件化するときは警察となる。

 

(小川副会長)

 これは保健所から言われるのだが、直接、警察がその人の所へ行くということはないのか。

 

(生活安全局 青山)

 警察は立ち入る権限がない。もちろん事件で裁判所に許可状を持っていく場合は別ではある。

 

(小川副会長)

 一般の人からの通報でということはあり得るのか。

 

(生活安全局 青山)

 それはある。無資格じゃないのかという話があり、それで内偵捜査をして、検挙するというケースもある。それはあはき法に限らず、医師法等と同じこと。

 

(小川副会長)

 それにしても検挙の数は少ないかと思う。国民が正当なあん摩・はり・きゅうを受けられるような環境を作るために、またご尽力いただければと思います。


(以上ここまで) 

平成30年度日盲連陳情活動(経済産業省・文部科学省・総務省・人事院・消費者庁・財務省関係)

05 経済産業省

 

1.期日

 平成30年7月11日(水)9時30分~10時30分

 

2.場所

 経済産業省別館2階

 

3.対応者

(1)日本盲人会連合

                   副会長  及川 清隆

                    理事  内田 順朗

                    監事  前川 昭夫

                    参与  前田美智子

                   事務局  有泉 一如

 

(2)経済産業省

 経済産業政策局

  産業人材政策室         室長補佐  天田 隼一

                    係長  秀川 佳苗

 産業技術環境局

  国際電気標準課         課長補佐  森  博之

  国際標準課           課長補佐  木原由起子

 商務情報政策局

  情報通信機器課         課長補佐  渡辺 明夫

  情報技術利用促進課(ITイノベーション課)

                  課長補佐  守谷  学

 

4.陳情事項、回答、意見交換

【注意】

 担当課の職員が現地に入西日本を襲った集中豪雨の災害対応をしていため、陳情項目については、回答読み上げのみとなる。

 


(1)コンビニやスーパー等のセルフレジについて、視覚障害者が1人でも利用できるようにするため、支援者を配置するか、音声案内及び拡大画面を導入する対策を要望する。

(産業人材政策室 天田)

 視覚に障害があっても不安を抱えずに買い物をしていただくことは重要なことと認識しています。しかし、昨今の人手不足等からセルフレジの導入が進んでいることも承知しています。セルフレジの導入は進んでおりますが、店舗が全くの無人になることはありません。常駐するスタッフに声がけをするなどして対応してください。

 


(2)スーパーマーケットなどにおいて、店員対応のレジを残すことを要望する。

 

(産業人材政策室 天田)

 レジの効率化を図るためにセルフレジの導入が進んでいます。一方一部の店舗ではお客様との触れ合いを大切にしたいという考えやバリアフリーの観点から店員対応のレジを継続するという考えもあります。

 現在、オリンピック・パラリンピックの開催に向けて取り組んでおりますが、オリンピック・パラリンピックの基本方針である心のバリアフリーということも踏まえ、すべてのお客様が買い物をしやすいように積極的にマニュアルを整えていきます。

 また、セルフレジについて、セルフレジではありますが、店舗は無人ではありません。常駐しているスタッフに声をかけてください。

 

(前田参与)

 セルフレジについて、昨年に比べて今年はこの要望が全国各地から増えました。弱視の方からの要望で、画面が読みにくいので、画面の拡大と音声化をお願いしたいまた、セルフレジの操作が難しいのであれば、有人対応という回答だったが、店員がどこにいるのか分らない。探すことが容易ではありません。有人レジは確実に残していただきたい。

 また、機器の使用では「ピ」と音が鳴ったのは分るが、に対しての操作音なのかが分りません。製品を買いました、操作が分りませんでは困ってしまいますので、音声化を義務づけていただきたいです。

 

 

(内田理事)

 セルフレジと有人レジの両方がある場所では、有人レジがあることを視覚障害者に声かけしていただきたい。声かけをすることのマニュアル化を進めていただきたい。

 

(産業人材政策室 天田)

 セルフレジについて、コンビニ担当者に伝えます。

 


(3)情報関連機器及び家電関連機器の開発の際、高齢者や障害者が簡単に操作できるよう、プロモードのほかにシンプルモードを加え、2形式の操作法を備えていただくよう要望する。

 

(情報通信機器課 渡辺)

 製品については高齢者や障害者が使いやすいボタン操作がシンプルなものと、複雑な多機能なものと2つの製品をすすめています。業界団体の情報通信アクセス協議会でJISの改正に取り組んでいます。情報通信アクセス協議会からは操作手順の簡単メニューという高齢者や障害者に配慮したシンプルなものを進めていると聞いています。エアコンやテレビ等のよく使うボタンを限定したシンプルリモコンを考えており、業界団体とともに取り組んでいます。

 

(国際電気標準課 森)

 JISのスケジュールは8月に原案を作成して、10月に改正できるように取り組んでいます。

 


(4)家電製品に、操作方法の音声案内機能が搭載されることを義務づけるよう要望する。

 

(情報通信機器課 渡辺)

 家電製品協会は高齢者や障害者のアクセシビリティに配慮した効果音等の音声案内によるJISが制定されています。皆様が利用しやすいようにしっかりとやっていきます。

 また、家電製品協会が3月に日本盲人会連合を訪問して意見交換をしましたことを承知しています。その際はご対応いただきありがとうございました。引き続きご指導をお願いいたします。

(内田理事)

 取扱い説明書のPDFについて、音声化されているものもありますが、説明書には図が入っているものが多くあります。音声化だけでは分りにくい。視覚障害者へ分かりやすく説明するのは独特の表現方法があったりします。図解説のある説明書を音声化しただけでは分りにくいので、視覚障害者が分る取扱説明書をお願いします。

 

(前田参与)

 家電製品について、後から点字シールを付けている製品等があるが、最初からシールではない方法で点字表示を付けていただきたい。点字シールは数年で点字が取れてしまい、結果、何機能のボタンか分らなくなり、使えなくなってしまいます。

 メーカーのサービスで点字を付けると追加料金がかかり、同じ商品でも値段高くなります。点字表示を義務にしていただければ全ての製品に点字表示がありますので、負担が減ります。

 

(及川副会長)

 点字表示は購入時に機器を選択する上で重要です。見本の機器に点字表示があれば、購入時にその機器の機能をチェックすることができます。

 また、点字表示はバリアフリーの啓発にもなりますし、国民への点字文字の普及になります。是非メーカーに点字表示をするように指導してください。

 

(情報通信機器課 渡辺)

 関係団体に伝えていきます。

 

(内田理事)

 また、点字の普及をお願いいたします。例えば、駅ホームのアナウンスが、最近では「黄色い点字ブロックまでお下がりください」という表現になりました。その結果駅ホームにおける点字ブロックの啓発につながりました。このように点字も何らかの方法で普及・啓発をしていただきたい

 


(5)電子レシートや電子決済など金銭管理に関わるスマートフォンアプリを公開するときは、画面読み上げ・画面拡大の機能を使って操作できることの義務化を要望する。

 


(情報通信機器課 渡辺)

 スマホアプリは画面で拡大できるようにすることとしています。アプリを視覚障害者が活用できるように求められています。情報通信アクセス協議会でJISの改正を進めています。スマートフォンも含めて操作手順の容易性やPDFの取扱説明書の音声読み上げ対応とするように取り組んでいます。

 


(6)スマートフォンなどの新たな情報端末を視覚障害者も容易に活用できるよう要望する。

 

(情報通信機器課 渡辺)

 スマートフォンも視覚障害者が活用できるように音声認識ができるように改正します。

 


(7)スマートフォンによるGPS誘導システムは音声等により視覚障害者も安全に利用できる製品として開発するよう要望する。

 

(情報技術利用促進課 守谷)

 GPSを利用して視覚障害者の歩行訓練ができるとのことですが、こうした開発が視覚障害者の安全に役立つことを期待して、経済産業省でも研究支援しています。

 


(8)スマートフォンの普及に伴い、視覚障害者に役立つアプリ開発の促進を要望する。

 

(情報技術利用促進課 守谷)

 スマートフォンのアプリもナビゲーションに限らず、ソフトウェアで視覚障害者に役立つソフトの開発を考えています。今、あらゆるものがソフトで動いていますが、経済産業省が支援している事業はありません。総務省で情報バリアフリー事業として助成制度がありますので、活用してみてください。

 

(内田理事)

 スマートフォンについて、iPhoneにはボイスオーバーが搭載されていますが、アプリによっては最初の画面の操作ボタン等が画像のみとなっているため、読み上げてくれません。スマートフォン使用者の中には音声で使っている人がいるということを認識していただきたい。

 


(9)家電製品やICT機器のユニバーサルデザイン化を推進し、視覚障害者が利用しやすいインターネット環境の整備や、支障なく買い物ができるようにセルフレジの視覚障害者対応を要望する。

 

(情報通信機器課 渡辺)

 家電のユニバーサルデザインの推進ですが、家電製品協会でユニバーサルデザインに配慮した製品を推進しています。操作が理解しやすい、表示と表現が分かりやすい、楽な姿勢と動作で負担なく使える、動きやすい、安全安心、手入れがしやすく長く使えるという6つのことを中心に配慮しています。それらは家電製品協会にホームページにも掲載しています。

 視覚障害者が利用しやすいインターネット環境ですが、情報通信アクセス協議会でユニバーサルデザイン対応をしています。各メーカーのホームページで製品のアクセスしやすいチェックシートを掲載しています。

 

(10)カセットテープを使用している視覚障害者が多いため、カセットテープの製造の存続を要望する。

 

(情報通信機器課 渡辺)

 カセットテープについては、視覚障害者の録音図書としてニーズがあることは承知しています。国内でカセットテープを製造しているメーカーも減ってしまいました。しかし、少ないですがいくつかはありますので、この要望を業界に伝えていきます。

 


(11)視覚障害者が安心して利用するため、公共交通機関・施設のトイレの水洗方式の統一化を要望する。

 

(国際標準課 木原)

 器具の操作はメーカーで製作しています。施設トイレの操作部の配置は、JIS規格化JIS 0026されています。紙巻きを中心に規定されていて、ボタンの配置が決まっています。検討会では日本盲人会連合も参画してもらっています。今後とも国土交通省の取り組みではありますが、協力していきます。

 

(及川副会長)

 点字表示について、どこに作成を依頼しているのか分りませんが、誤表示が多い。各都道府県には当事者団体があるので、必ず当事者に確認をとるようにしていただきたい。誤表示があると点字をないがしろにされていると感じてしまう。

 

(内田理事)

 JIS規格について、規定は多目的トイレに限ったことでしょうか。視覚障害者は一般トイレに入ることが多いのですが、一般トイレにも該当しているのか。また、新しいトイレはJIS規格に準じた配置になっていても、多くのトイレはJIS規格に準じた配置ではないので、使いにくい。

 

(国際標準課 木原)

 規定は多目的トイレに限ってはいません。一般のトイレもJIS規格を参考にしてもらっています。

 

(内田理事)

 点字で「スイ」と、表示されていますが何のことか分りません。「ナガス」とか分る表示にしてほしい。


06 文部科学省

 

1.日時

 平成30年7月11日(水)10時30分~11時00分

 

2.場所

 文部科学省

 

3.出席者

(1)日本盲人会連合         副会長  伊藤 和男

                    理事  辰巳 寿啓

                    理事  宮本 克二

                    参与  濱野 昌幸

                   事務局  佐藤 絵里

(2)文部科学省

 初等中等教育局

  特別支援教育課       企画調査係長  酒井 吉彦

           指導係長 博士(工学)  髙市 和則

 初等中等教育局

  児童生徒課 指導調査係      専門職  中嶋 俊輔

 研究振興局参事官(情報担当)付

  学術基盤整備室      大学図書館係長  大園 岳雄

  大臣官房総務課 法令審議室  審議第二係  足立 拓也

 生涯学習政策局

  社会教育課                 久保

 

4.陳情事項、回答、意見交換

(1)我が国が140年にわたり発展させてきた盲教育の伝統と専門性を維持するとともに、障害者権利条約が求めるインクルーシブ教育が地域の小・中学校において実践されるよう要望する。

 

(伊藤副会長)

 特殊教育から特別支援教育に変わり、インクルーシブ教育が盛んに言われ、視覚障害のある子どもたちも、最初から小・中学校に入学させたいという保護者の希望が多くなった。

 このことは大変すばらしいことであると思っているが、インクルーシブ教育と言っても、単に以前のインテグレーション教育、統合教育という感じの学校教育にとどまっていると思う。

 一方で、各視覚障害者の特別支援学校では、いわゆるセンター的機能として、コーディネーター等が支援に回っているが、コーディネーターの数が少ない。視覚障害児の教育というのは手が掛かるので、人的配置を行う事も併せてお願いしたい。

 また、どこの都道府県でも、視覚特別支援学校の中での人事異動が盛んになっている。しかし、その中で、他の特別支援学校からの異動が多くなると、例えば点字教育等に専門性を持たない教員が入ってきて、教育が難しいという実態があるようだ。この問題について改善できないか。

 

(宮本理事)

 盲学校の教員の専門性をどう維持していくかについて、特別支援学校教諭免許状に視覚障害者に関する教育の領域が設けられ、視覚障害者に関する教育の領域の資格がなければ、盲学校に就任できないようにするという話が出ています。それを徹底してほしいということと、視覚障害者に関する教育の領域の免許を取得する際の認定講習の内容がより専門性を持ったものであってほしいと思う。

 ただ、盲学校へ配属されたときに、点字を利用する生徒が少なかったり、そういう生徒と遭遇する機会が少ない中で、専門性を更に高めていくことは難しい。しかし、1人でもそういう生徒がいた場合は、盲学校の教員としての資質を持たなければいけない。そういう視点で、更なる盲教育の専門性を盲学校に持たせられるように取り組んでいただきたい。

 また、インクルーシブ教育について、幼いときには、自分の家から通える近くの小学校に通わせたいという希望は非常に強い。そこで関わる教員の専門性を小さい学校で維持するのは難しいかもしれないが、毎年の人事異動で教育の質が変わっていくことのないように、文部科学省も取り組んでいただきたい。

 

(伊藤副会長)

 この専門性というのがいろいろな側面を持っていると思う。例えば、視覚障害者にスポーツをやらせるということは非常に難しいが、健常の子どもたちにスポーツをやらせるとことは比較的簡単です。なぜなら、健常の子どもは目が見えていて、周りの人の動きを見て、自分の動きをコントロールし、作り上げていくことができる。しかし、視覚障害はそれができない。そのため、体育一つ取っても、相当専門性が必要になる。

 私は、子どものときから視覚障害で、盲学校の中等部で器械体操をやった。これなどは、先生が1対1で体を支えながら教えてくれないと難しい。私が教わった先生は、体を支えながら、例えば前方転回や側転、あるいは体育祭のときにピラミッドを組んで崩れる、崩し方、こういうものを全て教えてくれた。そのためか、あまりいいことではないが、ホームから何回か落ちても、1度も怪我をしたことがない。これは、そういう教育の専門性があった人に教わったからだと思う。

 

(濱野参与)

 通常の学校での体育の授業で、教員が視覚障害児にどれくらいの力を割くのかについて、マニュアルがあるわけではないと思う。つまり、現場の教員の判断で視覚障害児への対応が行われている。

 これを国として、マニュアルや方向性を出していただけたら、現場の教員はどのような対応をしなければいけないのか、あるいはその方法は教員個人が頑張るのではなく、センター的機能としてある視覚支援学校に頼めばいいのか等が明確になる。そうすれば、視覚支援学校の教員がインクルーシブ教育を受けている地元の学校とうまく連携を取っていけるようになると思う。

 これはスポーツだけではなく、例えば歩行訓練にも同じことが言える。地方だと、盲学校にいたはずの歩行訓練指導員が人事異動で聴覚支援学校に行ってしまったり、あるいは普通の学校に行ってしまったりしている。

 視覚障害者だから受けなければいけないはずの教育、視覚障害者だからこそ持っていなければいけない知識や経験を持たせる教育というものを、システムに組み込んでいただければ、インクルーシブ教育も、ただ教えるだけではなく、実のあるものになると思う。

 

(特別支援教育課 酒井)

 大きく4つ指摘を頂いた。

 1つ目、インクルーシブ教育について、単なる場の統合だけにとどまらず、視覚障害者が十分に学んでいけるような環境を整備すべきであるということ。

 文部科学省もそう思っており、ただ障害のある子どもと障害のない子どもが同じ場にいて、ただ学ぶというのでは足りないと思っており、視覚障害をはじめ、障害のある子どもが、適切に合理的配慮を受けながら通常の学校で学んでいくという仕組みを作っていくということが大事だと思っている。そのために、合理的配慮についてや、学校現場でどういう対応が求められていくかについて、文部科学省から周知している。ご指摘も踏まえ、更に通常の学校で学ぶ際の留意点等の周知について取り組んでいきたい。

 2つ目、支援学校のセンター的機能やコーディネーター、通常の学校の人的体制について。特別支援教育コーディネーターと言うと、学校の先生に発令を出し、その機能を担っていただくということが多くなっているが、文部科学省でも、学校の中で校務分掌に位置づける等、特別支援教育コーディネーターとしての役割をどの先生が担うかということを明確にするようにお願いをしている。

 それから、合理的配慮の話をしたが、通常の学校で視覚障害をはじめ、障害のある子どもが学んでいくに当たって必要な介助等を行う特別支援教育支援員の配置を促進している。引き続き人的体制や、通常の学校で子どもが学ぶための側面での支援に取り組んでいきたいと思っている。

 3つ目、視覚障害の特別支援学校をはじめ、人事異動の件について要望があった。ここはよくご指摘されているところで、県で雇っている先生が異動のサイクルの中で視覚障害の特別支援学校に赴任してくることもあるし、他の特別支援学校で教えていた先生が視覚障害の特別支援学校に来ることもある。そうすると、やはり一からのスタートになってしまうことは文部科学省も認識をしている。ただ、そこの人事異動のサイクルや、どこに先生を置くかについては、各地方公共団体の判断になる。そこで、一定の専門性をもって、特に特別支援教育の免許を持った先生がより配置されるようにということは各自治体でも取り組んでいきたいところだと思っている。十分ではないかもしれないが、配慮して取り組んでいかなければならないと思っている。

 4つ目、スポーツについて。ご指摘のとおり、視覚障害のある子どもが実際に他の子がどういう動きをしているのか分かりにくいとか、それを覚えていないと護身の動きが難しいというところはその通りだと思った。今日はスポーツ支援の担当が来ていないため、頂いたご意見を伝えておく。

 

(2)理療科教育現場の教員の資質の向上と、生徒の実技の強化のための対策を要望する。

 

(伊藤副会長)

 視覚障害者の職業というのは非常に少なく、室町時代の後半から、視覚障害者は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師といったもので生活を営んでいる人たちが大半だった。最近は、他の職業に就く人も少しずつ増えてきているが、まだまだあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師といったことで生活をしている。従って、盲学校における理療科教育の現場の教員の資質というのは非常に重要だと考えている。

 ところが、平成5年から、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師は厚生労働大臣によって免許が与えられる国家資格になった。以前は理療の免許は都道府県知事免許で、試験科目に実技まで入っており、実技が重視されていたが、国家資格になり、実技が重視されていた部分がほぼなくなってきた。学校でも、力を注がないわけではないが、実技については弱いところがある。

 この理療科教員の資質向上というのは、特に実技面が重視されなければならないと思う。また、教員養成課程での実技の指導というのは、指導面の強化が非常に大事だと思うし、その基礎である盲学校での実技指導というのも非常に重要になってくる。この辺の対策をお願いしたい。

 

(辰巳理事)

 私は、地元で40年から50年、「あはき」で職業をしているが、最近、健常者で開業する方が増えてきており、どうしても実技の面でも経営の面でも、負けている。

 盲学校の「あはき」の理療教育の時点で教員を増やし、実技を強化していただき、対等に職業の自立を図れるように要望したい。

 

(特別支援教育課 髙市)

 ご要望としては大きく2点、いわゆる理療科の教育現場の教員の質の向上と、実際生徒たちが学校で学ぶ際の実技の面での強化について頂いた。

 学校の養成施設において、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師を取り巻く環境が変化してきている。学校の養成施設における臨床実習の充実を通じ、より質の高いあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の養成が行われるということが社会的に求められてきていることを受け、平成29年3月31日、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の学校養成施設認定規則が改正された。本年度、平成30年の施設、学校等に入学する生徒から、改正された規則に基づいて教育が行われている。

 認定規則を改正するということに向け、厚生労働省で、「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師学校養成施設カリキュラム等改善検討会」が開かれ、そちらの議論の中でも、教員を充実させるため、専任教員の必要人数を増やす必要があること、教える教員の資質を向上させる必要があるという意見を頂いた。また、実技の強化も、実技を行う臨床実習が教育課程であり、以前は1単位分の単位数しかなかったが、技術、技能を充実させていく必要があるため、今回の改正で1単位を4単位に、必要な単位数を3単位分増やし、現場の経験を充実する必要があると意見を頂いた。それに基づき、学校養成施設認定規則の改正が行われ、法令、制度全体の充実を図ってきた。

 もう一方で、文部科学省では、特別支援教育に関する教職員等の資質向上事業を行っており、その中で視覚障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校高等部の理学療法に関する学科を担当する先生方に向けて、資質向上を行うための講習会を開いている。このようなことで、制度面と実際に教えている先生方に対しての働き掛け、資質向上について、国として図っている。文部科学省としては、引き続き、そういった制度や事業を通して、理療教育の充実を図っていきたいと考えている。

 


(3)「読書バリアフリー法」(仮称)を制定し、読書困難者の読書環境の整備を実現するよう要望する。

 

(伊藤副会長)

 マラケシュ条約の批准、さらに著作権法の改正をしていただいたということで、私どもとしては大変うれしい。私の所では点字図書館をやっており、音訳書、マルチメディアデイジー、テキストデイジーといったものを作っているが、これらを作るときには、実際の本を裁断してスキャナーで読み込んで作業することが多く、大変である。読書バリアフリー法で、各出版社から、あらゆるもののテキストデータを、そうした施設等に頂けるようになると、様々な媒体で迅速に作ることが可能になり、読書環境がかなり整備されると思う。是非、このような製作現場での困難を改善していただきたい。

 今回、陳情とは別に、第71回全国盲人福祉大会での特別決議もお持ちしており、各図書館の連携とネットワーク作り等について要望しております。是非、ご検討をよろしくお願いします。

 

(社会教育課 久保)

 読書バリアフリー法の取りまとめの課が出席しておらず、私は公共図書館の担当なので、図書館の観点からのみお答えさせていただきます。

 ご要望いただいたような視覚障害者や上肢障害も含めて、読書に困難のある方々の読書機会の充実というのは、社会教育の観点からも、非常に望ましいことです。文部科学省としては、既に望ましい基準というものを公共図書館、市立図書館向けに作っており、周知を図っているが、予算自体が既に、地方公共団体にお渡ししている状態で、充実が図りきれていない部分もあるかと思う。

 サピエ図書館等、デイジーの図書をネットワーク化して、各図書館で共有するというような取り組みもあるが、周知が図りきれていない部分もあるため、ネットワークの環境整備を、国立国会図書館や厚生労働省とも連携し、教育委員会の担当者あるいは図書館の関係者が出席する各種会議、研修での情報提供を始めたところです。幾つかご指摘もあったので、引き続き周知徹底を図っていきたいと思う。

 

(伊藤副会長)

 各地方自治体の関係もあり、公共図書館の予算が厳しいということで、指定管理等に移す所が出てきている。そういう方向になると、ネットワーク作りも図れない可能性も出てくるので、本来は地方自治体がやることだが、国のほうから指示を頂ければ有り難いと思う。

 以前と比べると、私どもの生活もよくなってきており、学習環境もよくなったと思っている。ただ、先進諸外国と比べると、まだまだのところもあるので、どうぞよろしくお願いいたします。
07 総務省

 

1.日時

 平成3011日(9時30分~10時00分

 

2.場所

 総務省会議室

 

3.出席者

(1)日本盲人会連         常務理事  橋井 正喜

                    理事  小山  尊

                    理事  近藤 久江

                  組織部長  佐々木宗雅

                   事務局  遠藤  剛

 

(2)総務省

 情報流通行政局

  地上放送課             主査  岡本 愛弓

                   事務官  内山詩央里

 自治行政局

  選挙部管理課      選挙管理第二係長  舩岡 悠太

  政策統括官付き国際標準分類専門官      田中 留美

 

4.陳情事項、回答、意見交換

(1)テレビ放送において、視覚障害者が理解できるよう、災害情報などの緊急速報は、音声化と共に字幕スーパーは大きくし、文字放送の時間延長をする等、弱視者への配慮を行う。また、ニュースなどの外国語の日本語吹き替え及び日本語訳が字幕化されているものについては、その音声化を要望する。

 

(地上放送課 岡本)

 災害時において、放送により視聴覚障害者の方々に的確に情報が伝わるようにすることは重要な課題であると、総務省としても考えている。また、放送事業者において様々な工夫を行っていることを承知している。

 総務省が、障害者団体の皆様と放送事業者の代表者、有識者を構成員とする研究会での検討を経て、本年2月に策定した、字幕放送・解説放送及び手話放送の普及目標に関する「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」において「大規模災害時等にチャイム音とともに緊急・臨時に文字スーパーを送出する場合、できる限り読み上げる等により音声で伝えるよう努めるものとする」と明記した。

 また、テレビ番組放送中の緊急速報について、放送事業者では、速報の内容は国民の生命・財産に関わる場合は生放送中であればその担当責任者の判断で読み上げる、録画番組であれば、番組を中断して特設ニュースを編成して対応する、緊急地震速報については、サイン音の後に自動音声を送出して注意喚起を行う等の対応を行っている。

 なお、外国語の日本語吹き替え及び日本語訳が字幕化されているものの音声化については、放送事業者より、主音声の中に2つの音声を同時に乗せてしまうと聞き取りづらくなってしまうという意見を聞いている。

 また、片方を部分的に副音声にするという仕組みは現時点では技術的に難しいと聞いている。今回のご要望については、放送事業者に総務省から伝える。

 


(2)東京オリンピック・パラリンピックに向け、テレビのスポーツ放送における解説放送の更なる充実を要望する。

 

(地上放送課 岡本)

 総務省においては、先ほど陳情項目(1)でご説明した「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」の中で、NHK及び民放広域局の解説放送の普及目標の引き上げや、ローカル局の解説放送の普及目標の新設等、解説放送の拡充に向けて放送事業者の取り組みを促進している。

 また、NHKでは、東京オリンピック・パラリンピック競技大会においてユニバーサル版のハイライト番組の放送を検討している。具体的には、視覚障害者の方々にも分かりやすいスタジオの解説コーナーや、競技中継においても副音声を使って競技を分かりやすく伝える実況放送等の実施を検討していると聞いている。

 さらに、NHK放送技術研究所では、スポーツでの実況放送について、試合の点数や選手名等の多くの情報をデータとしてリアルタイムで収集し、文章にした上で音声を構成して、音声による解説として提供できるように研究が進められていると聞いている。同じくご要望を放送事業者に総務省から伝える。

 

(橋井常務)

 テレビの解説放送、字幕放送はどのくらい進められているのか。

 

(地上放送課 岡本)

 陳情項目(1)で説明した「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」があり、対象となっている番組の解説放送の割合だとNHK総合は12.7%、在京キー局5局は11.7%となっている。

 また、字幕放送については、指針の対象となっている番組では、NHK総合は97.4%、在京キー5局は99.5%が字幕を表示していると聞いている。

 

(橋井常務)

 先日、野球の放送を解説放送で聞いていたが、その放送中に緊急音とともにテロップが出た。緊急音はしたが、テロップの内容は読み上げられなかったので近くの人に内容を聞いた。その後も、同様のことが続いた。解説放送では、例えば野球以外のことを放送してはいけない等の規定があるのか。

 

(地上放送課 岡本)

 そのような規定はありません。おっしゃるとおりテロップの読み上げがないと情報が伝わらない部分があると思うので、放送事業者にもしっかり伝えます。

 

(橋井常務)

 ニュース等の外国人のコメントを日本語に吹き替えることは難しいのか。音声が外国語と日本語が重なってしまうと難しいということか。

 

(地上放送課 岡本)

 そうです、重なってしまうと聞き取りづらくなってしまうと伺っている。また、片方を副音声にするというのは、今のところ技術的に難しいという話を放送事業者から聞いている。

(佐々木部長)

 緊急放送の字幕の読み上げについてお聞きしたい。字幕を読み上げることは技術的に可能であると思うが、どうしてすぐに読み上げが実現しないのか。

 

(地上放送課 岡本)

 例えば緊急地震速報等があった時には、サイン音の後に自動音声を送出して、注意喚起をしているという事業者の取り組みも聞く。

 全ての事業者でまだできていない部分もあるが、それぞれの放送事業者において対応中であると聞いている。ご要望いただいて、まだ取り組めていない事業者がいたら、取り組んでもらうように伝えている。

 

(橋井常務)

 豪雨による被害等の緊急放送がテロップで表示される場合、その情報を知りたいと思わないか。どこが洪水になったかや避難が必要か等の情報を必要としていることは皆一緒だと思うが。

 私達は長い間、このことを要望してきているが、なかなか変わらない。何年後には実現すると明確にしてほしい。

 

(地上放送課 岡本)

 何年先までに必ず実現しますということを、今この場で約束することは難しい。総務省としては、しっかり放送業者と考えていきたいと考えている。

 

(小山理事)

 私は28歳の時に全盲になった。全盲になってから、テレビの音声だけを聞いても分らないことがある。

 その中で一番困っているのは緊急時の放送だ。緊急音をもう少し長くしてほしい。また、緊急放送の内容を1回ではなく、2回、3回と繰り返し放送していただきたい。

 

(佐々木部長)

 緊急放送で音が鳴った後、何も聞こえないとかえって不安だけが残る。そのため、1人の時は、ラジオをつけて確認している。ぜひ、テレビで聞けるようにして欲しい。

 陳情項目(2)の回答の中で、ユニバーサル版のハイライト番組とおっしゃったが、これはどのようなものか。

 

(地上放送課 岡本)

 まだ内容は検討段階のものと聞いている。視覚障害者にも分かりやすいように、解説のコーナーを設けた番組、競技中継においても副音声でその競技を分かりやすく伝える実況放送等を行うことを検討していると聞いている。

 


(3)公職選挙法を改正し、すべての議会選挙・首長選挙において、選挙公報を発行することを義務付けるよう要望する。

 

(選挙部管理課 舩岡)

 現行の公職選挙法の規定では、都道府県知事の選挙については、公職選挙法の第167条において、選挙ごとに1回発行しなければならないとされている。

 それ以外の地方選挙における選挙公報については、公職選挙法の第172条の2において、条例で定めるところにより、発行することができるとされている。

 選挙公報の発行については、選挙運動期間の短い選挙においては、広報の印刷や配布等に相当程度の時間が必要とされるので、発行が困難である場合もある。

 その点を踏まえて、全ての選挙において選挙公報の発行を義務付けすることはせず、条例の定めるところにより発行することができることとされている。

 法律上、全ての選挙について選挙公報の発行を義務付けるか否かについては、選挙運動のあり方に関わる問題であり、地方議会等の動向も踏まえながら、国会や各党各会派においてご議論いただくべきことであると考えている。

 


(4)選挙公報などの情報は、点字・音声・拡大文字・テキストデータなどの当事者が必要とする媒体で提供するよう要望する。

 

(選挙部管理課 舩岡)

 国政選挙と統一地方選挙の際に視覚障害のある方に対して選挙の情報を提供するため、選挙公報全文を内容とする「選挙のお知らせ版」を選挙人の意向に沿うように点字版や音声版で作成するように、都道府県の選挙管理委員会に要請をしている。

 なお、作成及び配布については、障害者団体や点字図書館等の関係団体とも連携するようにお願いをしている。

 ご指摘のとおり、視覚障害者等の選挙人に対して候補者の情報を提供することは重要なことだと総務省も考えており、引き続き各選挙管理委員会に対して要請は続けていきたい。

 

(近藤理事)

 全国の選挙管理委員会では、どの程度、選挙の情報提供が行われているのか。現在、視覚障害者の約8割が弱視と言われている状態なので、拡大文字も当然必要かと思うが、どのくらい視覚障害者に対する配慮がなされているのか。全く配慮なされていない地域も、あるのではないか。

 

(選挙部管理課 舩岡)

 第48回の衆議院総選挙において、「選挙のお知らせ」の点字版を全ての都道府県において配布した。

 その際、選挙管理委員会側が福祉部局との連携を取りながら必要部数を把握し、配布をしているのではないかと思う。

 また、音声版についてもカセットやCD、音声コード等、配布の仕方は色々あるが、全ての都道府県においていずれかの音声版を配布している状況である。

 

(近藤理事)

 拡大文字版はどの程度配布されているか。

 

(選挙部管理課 舩岡)

 その数字は今手持ち資料に無いため分らない。

 

(近藤理事)

 現在、視覚障害者の約8割が弱視、いわゆるロービジョンと言われており、視覚障害でもその見え方は大きく異なる。それぞれの要望に合うようにしていただきたい。

 

(選挙部管理課 舩岡)

 総務省は選挙の度に拡大文字版、音声版、点字版の必要部数を把握し、配布するように選挙管理委員会へ要請しております。

 

(小山理事)

 「選挙のお知らせ」だが、もう少し早めにいただけると、視覚障害者が候補者の選択をしやすくなるのではないか。選挙の1週間前ぎりぎりで届いても難しい。

 

(近藤理事)

 地元の協会では選挙管理委員会から委託されて、点字の選挙のお知らせを製作しているが、この納期が非常に短い。極力早く依頼いただければ作成する方も助かると、是非、総務省のほうからも全国の選挙管理委員会へ伝えていただければと思う。

 

(橋井常務)

 「選挙のお知らせ」は、団体に送られてきて、団体から対象者へ配布しており、日数を考えると難しい。全国的に配布方法を統一するよう検討していただきたい。

 また、公職選挙法に視覚障害者のために点字版、音声版、拡大文字版の広報を発行すべしという文を入れることはできないか。

 

(選挙部管理課 舩岡)

 公職選挙法の中に入れるのは難しいです。

 


(5)国勢調査などにおける職業欄は、療術業の中に、あはき業・柔整業・その他の療術業があるという分類になっている。従って国はこれを、あはき業・柔整業・療術業に分類し直すよう要望する。

 

(国際標準分類専門官 田中)

 国勢調査は、産業別の就業者数について、公的統計を産業別に表示する際の統計基準、日本標準産業分類がある。この分類を基に国政調査においては集計を行っている。

 この日本標準産業分類は、大分類、中分類、小分類、細分類と4階層になっており、療術業は大分類の医療福祉、中分類の医療業、そして小分類の療術業に分類されている。

 さらに、小分類の下に2つ細分類が設定されており、その1つがあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の施術、もう1つが、その他療術業というような産業が設定されている。ご要望の国勢調査における療術業の分類は、説明をした小分類をそのまま調査に適用している。

 この国勢調査の集計をご要望のようにするとすれば、この小分類の「療術業」を「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師」、そして「柔道整復師」、そして「その他の療術業」、3つに分割するように日本標準産業分類を変えなければならない。

 統計法において、分類を変える場合は、審議会の統計委員会の意見を聞いて定めることとされている。

 次の日本標準産業分類の改定時期で、平成35年度までに行うこととされている。その際には統計委員会の意見を聞きつつ、日本標準産業分類の目的に照らした上で、統計の連続性、国際比較といった観点を鑑みるとともに、産業の規模を考えながら、統計分類して有用なものを考えていきたいと考えている。

 そのため、ご要望については療術業を所管する厚生労働省へご相談いただければと思っている。実は、この要望の内容については総務省から厚生労働省へ既に情報提供をしている。総務省としては、厚生労働省からデータか考え方が提示されたら、適切な判断を行うように努めていきたいと考えている。

 

(佐々木部長)

 国勢調査の職業の分類について、これは5年ごとに見直しをしているのか。

 

(国際標準分類専門官 田中)

 5年に1回の見直しもあるが、今回は10年で見直しを行った。

 

(佐々木部長)

 大分類、小分類の見直しは、どのような観点で行うのか。

 

(国際標準分類専門官 田中)

 産業の規模というのは人口や働いている方の数のみならず、売上高や事業者数等を踏まえながら検討していく。その他に、量的なものだけでなく、国際化の可能性や統計として必要かどうか、もしくは統計調査できるかどうかといった観点も踏まえながら決めていく。

 

(佐々木部長)

 そうすると、今は療術業の中にあはき業が含まれているが、統計上で取った結果になるのか。

 

(国際標準分類専門官 田中)

 はい、療術業として国勢調査の中に入っている。

 

 


08 人事院

 

1.日時

 平成30年711(水)1130分~1200分

 

2.場所

 人事院

 

3.陳情者

(1)日本盲人会連合         副会長  伊藤 和男

                    理事  辰巳 寿啓

                    理事  宮本 克二

                    参与  濱野 昌幸

                   事務局  佐藤 絵里

(2)人事院

 事務総局            総合調整官  阿部 弘幸

 

4.陳情事項、回答、意見交換

(1)視覚障害公務員がヒューマンアシスタント(職場介助者)制度を利用できる制度の実現を要望する。

 

(伊藤副会長)

 視覚障害者は公務員で、全く見えないという人が多く、さまざまな点で事務処理が大変である。そういう人たちが事務処理をするときに、目で見なければならないものは、全て見える方に頼っていた。

 私も教員をしていたが、問題を作る際、誰かに通常の文字で書いてもらう必要があった。最近では音声の読み上げソフトが出たため、視覚障害者の多くはこれを使って多くのことができるようになったが、体裁を整えるときには、やはり目の見える人の手伝いが必要となる。しかし、相手が仕事中に頼むわけにはいかないし、頼んだからといって本来自分の仕事でないため、快くやってくれる人とそうでない人がおり、相当気を遣う。そういう状況の中で視覚障害者の公務員が非常に苦労している。

 障害者雇用促進法の改正でもヒューマンアシスタント制度が盛り込まれ、企業等で働く視覚障害者にとっては有益な制度であり、働きやすくなったことは事実だが、公務員はそうはいかないという状況がある。

 公務員にも職場介助者制度があれば、視覚障害者はとても助かる。

 

(宮本理事)

 一般の学校で視覚障害者の先生が増えてきているが、点字の教科書を使っていないところも多く、それを点字化すると膨大な量であり、そのデータを処理して教材を作るのは大変で、授業の体を成していけない。

 最近ではスクールサポーターが一般の先生方の事務的な手伝いをする制度を作るという話も聞くが、視覚障害者は、常時そういう人の介助が必要である。制度として介助者を付けていただき、公務員の中でもその制度が利用できるようになれば有難い。

 

(伊藤副会長)

 私が大学で講師をしていた際に大変だったのはレポートを読むことだった。本当は大学にサポートを依頼すればよかったのだろうが、非常勤講師だったため時間数が少ないということもあり、レポートをメールに代える等で対応した。しかし、例えば、教員の認定講習等の講座では、早期に採点する必要があり、後からメールでもらうわけにはいかないため、苦労した。視覚障害者はそこが改善されれば、もう少し多くの仕事ができると思う。

 企業等ではある程度改善されてきたが、公務員に対しての支援を人事院にお願いしたい。

 

(人事院 阿部)

 昨年、一昨年と要望を頂いていた。人事院でも何ができるのか、現状はどうなっているのか、まず把握しなければいけないのではないかと、所掌する官の担当とも話をしている。しかし、人事院が所掌しているのが一般職の国家公務員であるため、各府省で視覚障害者がどれだけ働いていて、職場介助がどう必要なのかが、各省から上がってこず、実態は分かっていない。改正障害者雇用促進法との関係で、合理的配慮提供義務の中で対応できるのだと思うが、具体的に民間でどういう対応がなされているのかがもう少し分かるといいと思う。

 こちらからの質問になるが、このヒューマンアシスタントとなっている職場介助は、視覚障害者に限るわけではないか。

 

(伊藤副会長)

 視覚障害者に限るわけではない。

 

(人事院 阿部)

 いろいろな障害者に対する介助というところで、何か対応ができないかと考えているが、各府省の中で実態を調べようとしてもなかなか出てこない。もし皆さまのほうで何か情報があれば提供していただきたい。

 それから、職場介助者を非常勤の職員等として雇うということ自体は制度としては可能である。しかし、公務員のため、雇おうと思って簡単に雇えるわけではない。非常勤として雇うにしても、勤務時間や給与体系等、いろいろなことを解決しなくてはいけない。それに関し、実態等、各省からの要望のような形で出てくるといいと思っている。

 

(伊藤副会長)

 人事院の管轄は国家公務員についてだと思うが、国家公務員の視覚障害者というのは限られている。国家公務員にそういった制度等が実施されるようになれば、各都道府県の人事委員会が動きやすい。

 また、いわゆる障害者雇用促進法の改正で、障害者の雇用率は上がってきたが、このような問題は基本的には厚生労働省が管轄になるのか。

 

(人事院 阿部)

 障害者全体に広く対応していくとなると、基本的には厚生労働省が窓口になるものだと思う。人事院も国家公務員として働く障害者がいれば、厚生労働省の動きを見ながら対応していく。法律が改正されたことは十分分かっているので、それに基づいて何ができるのか考えていかなければいけない。

 やはりまず、ニーズや各省の実地担当の考え方をチェックし、拾い上げなければいけない。しかし、人事院の場合、国家公務員は民間準拠という1つの基本があるため、民間の実態に合わせて対応していく必要がある。

 

(伊藤副会長)

 そうすると、この問題については、厚生労働省と人事院の両方に話をする必要があるか。

 

(人事院 阿部)

 そうですね。一番の主眼は地方公務員や、先生方の話だったと思うが、そうなると地方公務員の関係になるため、総務省になる。

 こういう障害者支援というものをどうしていくのかという大本となると、厚生労働省になる。基本的に、厚生労働省は民間に対して働きかけていくが、国家公務員や地方公務員はその動きを見ながら対応していくことになる。

 

(宮本理事)

 つまり、人事院としては、府省庁に対して調査はしているが、上がってこない。調査は一応しているという捉え方でよいか。

 

(人事院 阿部)

 具体的な調査というものを各省にかけているわけではない。まずは厚生労働省に国家公務員で障害者がどれだけ働いているのかを聞こうとしたが、なかなか教えてくれない。そこで立ち止まっている状況です。

 

(宮本理事)

 調査まで行ってはいないということか。

 

(人事院 阿部)

 そうです。各省にそういう悩みがあれば、人事院に相談すると思うが、今のところ何も来ていない。実際、視覚障害者がどれだけ働いているかという実態もよく分からない。

 逆に言うと、皆さんからそういう国家公務員にアプローチできるものがあり、各省を通して、こういう人がいて、こういう配慮が必要なのだという要望がもっと具体的に出てくると検討しやすいと思う。

 法律も5年前に改正されているので、これらのことを踏まえて、法律改正の趣旨を踏まえた真摯な対応が必要なのだろうと思う。


09 消費者庁

 

1.期日

 平成30年7月11日(水)11時00分~11時30分

 

2.場所

 中央合同庁舎4号館7階面談室3

 

3.出席者

(1)日本盲人会連合

                   副会長  及川 清隆

                    理事  内田 順朗

                    監事  前川 昭夫

                    参与  前田美智子

                   事務局  有泉 一如

                   事務局  原田 里絵

(2)消費者庁

 食品表示企画課          課長補佐  黒坂  仁

 

4.陳情項目、回答、意見交換

(1)食品の賞味期限・消費期限の記載は、視覚障害者が見やすいように文字を大きくするよう要望する。

 

(食品表示企画課 黒坂)

 現状の基準について、文字の大きさは8ポイント以上と決まっています。表示すべき事項が、商品の名称、アレルゲン、保存方法が義務です。その他任意で表示すべき事項があり、最低限の情報は入れていただいています。あまりにも文字が小さすぎると見えにくいので、最低8ポイントとしています。これ以上大きくすると表示すべき事項が多岐に渡っており、商品のサイズが大きければ良いですが、食品等は形状に特徴があったりもします。どのように表示するかは検討事項です。事業者独自の工夫をしているところもあり、そういう取り組みも踏まえてどのように表示するか検討しています。

 

(前田参与)

 表示についてはおっしゃる通りだが、弱視の方は8ポイントでは見えません。少なくとも賞味期限、消費期限は大きくしいただきたい。なお、健常者がいる世帯は見てもらうことができますが、視覚障害者だけの世帯もあります。賞味期限と消費期限を大きく表示する、または時計表示にする等、分かりやすくしていただきたい。消費期限は概ね1週間くらいなので何とか予測はできるが、賞味期限は商品によってそれぞれ長さが違うので分らない。賞味期限は分るようにしていただきたい。何か我々当事者自身も考えなければいけないとは思っていますが、食べ物については、命に係わることなのでお願いしたい。

 また、視覚障害者の大半はバーコードの位置が分らないため、セルフレジが使えません。どこに表示されているか分らないので、バーコードの位置を統一してほしいとも思っている。

 

(及川副会長)

 私は今、全盲世帯です。子どもが1週間に1回来てくれますが、来てまず何をするか。冷蔵庫を開けて賞味期限切れの食品を捨てる作業をします。

 

(内田理事)

 見えない人もいるということを世の中が考慮してほしいと思います。8ポイントでは見えません。何か分るように配慮してもらうよう指導していただきたい。

 確認ですが、製造年月日は今でもラベル表示はしなくてもよいのでしょうか。

 

(食品表示企画課 黒坂)

 義務ではありません。義務は賞味期限と消費期限です。

 

(内田理事)

 ラベルが見にくい人もいるということを世の中が認識してほしいです。

 レシートに商品名は表示されていますが、賞味期限は表示されていません。以前、買った商品の数に対してレシートが長かったので、何が書いてあるのか読んでもらったことがあります。半分以上が広告でした。レシートに広告が表示できるのであれば賞味期限を表示することはできないものでしょうか。そういう工夫もあると思いますが、このお願いは消費者庁ではないでしょうか。

(食品表示企画課 黒坂)

 事業者がそういう機械を導入することになります。消費者庁では難しいです。

 

(前田参与)

 そもそも8ポイントは一般の方は見えるのでしょうか。

 

(食品表示企画課 黒坂)

 高齢の方は見づらいですが、一般の方は見えると思います。

 

(前田参与)

 私は全盲なので覚えるしかありません。それでも覚えられないので、そういう時は少し口にして駄目なら捨てています。

 

(及川副会長)

 見えない、見えにくいために、確認する方法として口にして判断するしかありません。いかがでしょうか。

 

(食品表示企画課 黒坂)

 消費者庁は最低限の基準を作っています。例えば事業者の独自の取り組みに対して消費者庁がどこまでできるかは分りません。しかし、ユニバーサルデザインの取り組みを良い事という認識はしています。どこまでできるかです。

 

(前田参与)

 表示する際の色やコントラストは何らかの決まりはありますか。

 

(食品表示企画課 黒坂)

 色もコントラストも決まりはありません。

 

(前田参与)

 8ポイントでは難しいかもしれませんが、色やコントラストを目立ちやすいようにすると少しは読みやすくなるかもしれません。

 

(内田理事)

 お総菜やお刺身のラベルは見つけやすいです。しかし、これらはすぐに食べてしまいますので賞味期限等の問題はありません。

(及川副会長)

 8ポイント以上でも良いのですか。

 

(食品表示企画課 黒坂)

 大きい分には事業者の判断で良いです。

 

(前田参与)

 それであれば是非大きく表示するよう指導してください。

 

(内田理事)

 見えない人がいるということを伝えてください。

 

(及川副会長)

 消費期限や賞味期限が分りやすく表示されていれば、商品がより流通します。メーカーに伝えてください。よろしくお願いいたします。


 財務省

 

1.期日

 平成30年7月11日(水)11時50分~12時00分

 

2.場所

 財務省1階北174号室

 

3.出席者

(1)日本盲人会連合

                   副会長  及川 清隆

                    理事  内田 順朗

                    監事  前川 昭夫

                    参与  前田美智子

                   事務局  有泉 一如

                   事務局  原田 里絵

(2)財務省

  大臣官房地方課 広報連絡係     係員  埜本 洋祐

 

4.陳情事項、回答、意見交換

(1)物価上昇の中、視覚障害者の生活安定を図るため、障害基礎年金額の増額を要望する。

 


(2)視覚障害者が安定した生活を送るため障害基礎年金の高齢加算を要望する。

 


(3)年金のみで生活している視覚障害者が増加してきているので、消費税引き上げに相当する手当ての創設を要望する。

 

※財務省は要望書の提出のみで、回答なし。